2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10712
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
柏崎 大奈 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (50374484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 敏 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (10301904)
桑山 直也 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (30178157)
秋岡 直樹 富山大学, 附属病院, 助教 (70422631)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 内頚動脈狭窄症 / 不安定プラーク / 慢性炎症 / 脾臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
内頚動脈狭窄症による脳梗塞の発症メカニズムは、多くの場合は不安定プラークからの遠位塞栓が原因である。当科においても内頚動脈狭窄症による脳梗塞のうち92%が遠位塞栓によることを報告してきた。このため、我々は不安定プラークに焦点をあてた研究を開始した。不安定プラークは局所におけるマクロファージを中心とした慢性炎症が主体であるが炎症関連細胞の由来については不明である。そこで我々は、脳梗塞急性期の急性炎症では脾臓が炎症関連細胞のリザーバーとなっていることから不安定プラークの慢性炎症においても同様に脾臓が関与していると仮説をたてた。Minor strokeで発症し内頚動脈内膜剥離術を実施した不安定プラーク8例とコントロール7例を対象にして18F-FDG PETを実施した。その結果、対象の脾臓でのSUVmaxはコントロールと比較して有意に上昇しており、対象のプラークのSUVmaxとよく相関していることが判明した。しかし、骨髄のSUVmaxは対象とコントロールの間で有意な差は無かった。 このことから、内頚動脈狭窄症における不安定プラークの原因である炎症関連細胞は脾臓がリザーバーとなっており、全身炎症が関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までに、対象とコントロールのFDG-PETの撮像を終了している。また、一部免疫染色をおこなうことにより炎症関連細胞について、従来の活動型マクロファージに加えて血管内皮前駆細胞についても脾臓がリザーバーになっている可能性をつきとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
内頚動脈内膜剥離術を行ったプラーク検体をさらに免疫染色をおこない関与している免疫関連細胞を同定する。
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Causes of Carryover |
調達方法の工夫などにより、経費の節約ができたため。 免疫染色を行うための抗体等の購入にあてる。
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