2017 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血後の、メラトニンの神経保護効果:IL-4によるミクログリアの活性化の経路
Project/Area Number |
16K10734
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
末永 潤 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30610365)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Melatonin / Microglia / Ischemia / Primary culture / Interleukin 4 |
Outline of Annual Research Achievements |
糸上げによる中大脳動脈閉塞モデル(MCAO)において、虚血後に松果体ホルモンのメラトニンを投与することで、長期予後の改善に寄与するかを確認とし、メカニズムの解析を目的とした。 60分の局所脳虚血、再灌流モデルにおいて、再灌流から1時間後に7日目まで毎日メラトニン(6mg/kg)を投与した。TTC染色では、1日目および3日目の脳梗塞体積においてメラトニン投与群が生食投与群に比べて有意に梗塞縮小を示した。また14日目までの行動解析において、corner testでメラトニン投与群に有意に症状改善を認めた。両群の脳血流は差はなく、血流は保ったまま虚血耐性を示したと考えられた。 虚血再灌流後48時間後に行たChemiArrayでは、生食投与に加え、メラトニン投与群はMCP1、TIMP1、sTNFr1、IL-12、KC、TNF-α、IL-6などのサイトカインの減少を認めた。メラトニン投与は抗炎症作用によるものが示唆された。 ミクログリアのin vitroでの評価は、OGD投与しM1に分化させたミクログリアは、メラトニン投与により細胞の生存率の上昇、LDH放出による細胞死の減少を認めた。IL-4 knockoutマウスでの実験では、メラトニン投与による脳梗塞後の虚血耐性効果がなくなり、メラトニンの働きはIL-4を介して仲介される可能性が考えられた。 当初の予定どおり、メラトニン投与による脳虚血耐性を示すことができでおり、必要な検討を追加している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メラトニン投与後に、ミクログリアの働きがM1、M2のどちらにシフトさせているかを、CD16およびCD206での免疫染色にて確認していく。これにより、データが完成する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文作成中であり、本年度中の投稿を目指していく。論文校閲費用、追実験が必要な場合は都度検討していく。
|
Causes of Carryover |
論文校閲、追加実験のため、次年度経費を捻出いたしました。
|