2018 Fiscal Year Annual Research Report
Wall Shear Stress and T1 Contrast Ratio Are Associated With Embolic Signals During Carotid Exposure in Endarterectomy.
Project/Area Number |
16K10737
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小林 正和 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60364345)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高磁場MRI / 数値流体解析 / 壁せん断応力 / 経頭蓋ドップラ / プラークイメージ / 頚部内頚動脈狭窄 / 頚動脈内膜摘出術 / 微小塞栓 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】頚部頚動脈狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術(CEA)において脳合併症の過半数を占める脳塞栓症発症につながる微小塞栓(ME)術前予測精度向上は周術期リスク管理として重要である。ME出現にはプラーク性状以外の因子も関与している可能性があり、頚動脈狭窄部を流れる血液の流体の影響に着目した。数値流体力学(CFD)解析を用いた血流の動態シミュレーションによって算出される壁せん断応力(WSS)がME出現に関与するか検討し、CFD解析とMRプラークイメージを組合わせME出現の術前予測精度向上を目的とした。 【対象・方法】血管造影検査においてNASCET法で70%以上の内頚動脈狭窄症例でCEA施行予定患者かつCEA術中に経頭蓋ドップラによる中大脳動脈信号計測が可能だった症例。プラークイメージは内頚動脈最狭窄部を含む断面で胸鎖乳突筋に対する頚動脈プラークの信号強度比(CR)を算出した。CR1.17以上を脆弱プラークと定義しCFD解析の対象とした。CFD解析は造影3DMRAから形状構築ソフトにて3次元再構築した血管形状を用い数値解析ソフトにて非定常流解析を行い最狭窄断面におけるWSSを算出した。統計解析はMES出現の有無について単変量解析、多変量解析を行った。特定された予測因子についてMES出現予測精度についてROC解析を行った。 【結果】54例のうち24例において頚動脈露出操作中にMEが出現した。単変量解析では、WSS、CR、症候性病変、左側病変の4項目にて有意差を認めたが、多変量解析の結果、WSSとCRのみがME出現の独立因子であった。ROC解析では、WSSのcut off値は51.5、陽性予測率85%であり、CRのcut off値は1.42、陽性予測率68%であった。 【結論】脆弱プラークを有する内頚動脈狭窄症例ではCRだけではなく、WSSもME出現の有意な独立因子であることがわかった。
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Research Products
(6 results)