2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of carbon monoxide and astrocyte on cerebral microcirculation
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16K10738
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| Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
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Principal Investigator |
石川 真実 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 客員研究員 (60212859)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平瀬 肇 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (90392084)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 脳微小循環 / アストロサイト / 一酸化炭素 / 脳循環予備能 / 脳虚血 / カルシウム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
痛覚刺激後にその支配領域でCa上昇を認めるアストロサイトと、刺激なしでCa濃度上昇を認めるアストロサイトとは異なり、同じアストロサイトでもCa上昇の部位や程度に差がみられた。頸動脈閉塞後には、血管周囲のアストロサイトと血管から離れたアストロサイトのCa濃度が上昇し、やはり痛覚刺激後のCa上昇の変化と異なっていた。これらは刺激や障害によるアストロサイトのCa濃度上昇の機能分配を示唆する。
頸動脈閉塞後の細動脈は、痛覚刺激後に比べて、瞬時に著明な拡張を示し、脳虚血時の痛覚刺激によるアストロサイトのCa濃度上昇は、虚血無しの痛覚刺激時より低下していた。これがアストロサイトの機能変化に因ると考えると、頸動脈閉塞後のアストロサイトのCa濃度上昇の低下と脳循環予備能低下の関連性が示唆される。COは脳血管の拡張を抑制し脳循環予備能に関与すると考えられ、その合成酵素ノックアウトマウスでは、脳虚血発生時の急激な脳血管拡張機能は保たれ、超急性期の脳血管の拡張にCOの直接的関与は低く、急性期と慢性期の血管反応性の違いが示唆される。
血管反応性を示すマウスのpenetrating arterioleは、実際の脳神経外科手術中の脳血管超音波画像で示される脳表面から垂直に脳内に入り込んでくる血管に相当するものと考えられ、人の脳血管も同様の構造を示すものと考えられる。神経やアストロサイトに不可逆的障害が起こらない脳血流のみが低下する病態では、脳循環予備能と高次脳機能との関連性をclinical neurovascular functionに相当するものとして、我々は報告してきた。マウスで内頚動脈閉塞後にみられる痛覚刺激後のCa濃度の上昇の低下などを加味し、Ca濃度上昇の程度と局在、血管拡張の程度と実際の血流変化など、血流と神経機能調節におけるアストロサイトの役割について更に探究してゆく予定である。
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