2017 Fiscal Year Research-status Report
RNF213遺伝子変異陰性もやもや病患者における新規感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
16K10740
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60398807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 英俊 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50169455)
恩田 英明 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60185692)
米山 琢 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90318105)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | もやもや病 / 類もやもや病 / RNF213遺伝子 / CCER2遺伝子 / レアバリアント |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病感受性遺伝子RNF213が特定されて以降、これをもとに本疾患の発症機序の理解が進み、新たな治療法の開発へも発展していくことが期待されていたが、実際にはその道のりはまだ厳しい。これを打開する方策のひとつとして、新規の感受性遺伝子が特定できれば新たな視点で病態にアプローチできると考え、研究を実施してきた。これまでに、RNF213遺伝子の感受性バリアントが陰性の2家系において、全エクソーム・シーケンシングによる網羅的探索を行い、胎児脳特異的に発現する分泌蛋白をコードするCCER2遺伝子の特定に至った。変異により脳脊髄液中に分泌されたCCER2分子が異常凝集し、これが脳主幹動脈の狭窄に影響するという機序が想定され、有望な脳脊髄液バイオマーカーとなりうる可能性も考えられた。しかしながら、この遺伝子変異を有する患者の頻度は極めて低い。すなわち、RNF213バリアント陰性もやもや病患者においては高度な座位異質性が存在しており、さらなる患者サンプルの集積が必要であると考えられた。そのため、本年度はサンプル取集の対象を類もやもや病などの近縁の疾患群にも広げてRNF213遺伝子全域のリシーケンシングを行い、RNF213バリアント陰性患者の蓄積を行った。その過程で、類もやもや病患者においても高率にRNF213感受性バリアントが陽性になることを見出し、また、未報告のRNF213バリアントもいくつか報告することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNF213遺伝子とは別の新規感受性遺伝子特定のため、RNF213遺伝子に感受性バリアントを持たない患者サンプルの収集を継続している。しかし、日本人患者ではその頻度は極めて低いため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNF213遺伝子やCCER2遺伝子のスクリーニングには前年度までサンガー法を用いていた。特にRNF213遺伝子では68個のエクソンがあり、その全域に対してサンガー法を行うのに多く労力が必要であった。そのため、本年度からはベンチトップ型次世代シーケンサーIonPGM(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)の使用を開始した。効率の良いアッセイプロトコールが策定できたので、今後もこれを十分に活用し、CCER2遺伝子変異型のもやもや病患者の抽出と、全エクソームシーケンシングや全ゲノムシーケンシングに供する患者サンプルを選定していく。
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Causes of Carryover |
成果を英文雑誌に発表するため、当該年度内に英文校正費および出版費に使用する予定であった。しかし、新たなデータが得られた等の理由で、当該年度内に論文を完成させることができなかった。この論文を翌年度に発表する際にこの額を使用する。
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Research Products
(6 results)