2017 Fiscal Year Research-status Report
ハプトグロビン-ジェノタイピングによる脳血管疾患予防/予後予測法の確立
Project/Area Number |
16K10745
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
青木 孝親 久留米大学, 医学部, 講師 (70330842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 慶 久留米大学, 医学部, 助教 (50597416)
折戸 公彦 久留米大学, 医学部, 助教 (50597408)
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 講師 (80279140)
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
山本 真文 久留米大学, 医学部, 助教 (50569431)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ハプトグロビン / くも膜下出血 / 脳血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに同意取得後に採取できたサンプルは、脳血管疾患の急性期の症例 217例、慢性期の症例 164例で、全部で381例となった。採取されたサンプルの内訳は、脳動脈瘤およびくも膜下出血 190例、脳動静脈奇形 13例、虚血性疾患(出血性梗塞など) 31例、脳出血 69例、頭部外傷 66例、もやもや病 12例である。現在、これらのサンプルの表現型(Hp 1-1, Hp 2-1, Hp 2-2)、遺伝型(SNP-rs2000999)、血中濃度の解析を進めている。 随時、疾患別に統計学的解析を行っている。くも膜下出血では、予後とハプトグロビンの血中濃度に関連がみられており、ハプトグロビンの表現型や遺伝型により、予後との関連性にトレンドが得られており、サンプルの結果が全部終了すれば、有意な結果が得られる可能性が出てきている。これについては、第76回脳神経外科学会総会において報告した。また、ハプトグロビンを脳血管攣縮とには、有意な相関は今のところ得られなかった、これについては、第34回スパズム・シンポジウムにて報告した。今のところ、脳出血の予後とハプトグロビンとの間に、これまでの報告のような独立因子としてのバイオマーカーとなりうる可能性は否定的な結果が得られている。さらに、頭部外傷、とくに急性硬膜下血腫においては、ハプトグロビンの血中濃度と予後の関係性がくも膜下出血と正反対の結果が得られており、さらに統計学的解析が必要と考えている。脳動静脈奇形や、もやもや病、虚血性疾患については、採取されたサンプルの数も少なく、特にHp 1-1のタイプは日本人にそもそも少ないため統計学的に有意な結果を出すのは困難と思われ、平成29年度は、くも膜下出血、脳出血、頭部外傷に絞ってサンプル採取に取り組んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度までは、サンプルの収集が主な目的としており400例近くのサンプルが集まった。随時、統計学的解析を行っており、くも膜下出血においては意義のある結果が得られている。年度末にアンプル収集が増え、解析に時間を要しているが、次年度には解析できる予定であり、おおむね順調に進行していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに採取したサンプルの表現型や遺伝型、血中濃度解析の終了後に統計学的解析を行う予定である。脳出血、くも膜下出血、外傷などのそれぞれの疾患の予後と表現型、遺伝型、血中濃度との関連性を統計学的手法により解析する。
|
Causes of Carryover |
(理由)研究自体は概ね順調に進行しているが、年度末に症例が集中し、サンプル量も増えており、エフォートの問題もあり表現型や遺伝型、血中濃度の解析を延期している。 (使用計画)ある程度サンプルが集まったので、残りの解析と統計学的分析を行っていく予定であり、それらにかかる諸経費として使用する予定である。
|