2017 Fiscal Year Research-status Report
低悪性度グリオーマのリプログラミング技術を用いたエピゲノム解析
Project/Area Number |
16K10754
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒川 芳輝 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20378649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Thumkeo Dean 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40372594)
平田 英周 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40761937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低悪性度グリオーマ / ダイレクトリプログラミング / エピゲノム異常 / 分化誘導 / 脳腫瘍 / グリオーマ / エピゲノム / リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、IDH1R132Hを持つグリオーマ細胞の転写ネットワーク異常を解明し、IDH1R132Hグリオーマを分化させるダイレクトリプログラミング技術の開発を目的する。平成29年度は様々な悪性度のグリオーマ手術標本を用いて細胞株の樹立、腫瘍幹細胞を含むSpheroid colony株の樹立を進めた。この中で、IDH1R132Hを持つ細胞株の樹立を行った。しかし、IDH1R132H細胞株では、継代を重ねるとIDH1R132Hを有しない細胞群として間葉系細胞が主に増加し、IDH1R132Hを有する腫瘍細胞群が減少・消失することが明らかとなった。これは、IDH1R132Hに伴う代謝異常が細胞生存維持・増殖に障害を来すことが示唆された。そこで、間葉系細胞をfeeder細胞とする培養条件でIDH1R132H細胞株の培養を検討した。しかし、長期培養ではやはりIDH1R132Hを有する細胞数は減少し、継代を続けるに十分な培養が困難であった。さらに、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞にIDH1R132Hを導入した神経幹細胞においても細胞増殖が障害され、十分な継代ができなかった。各種さまざまな培養条件を検討したが、IDH1R132Hを導入したヒトiPS細胞由来神経幹細胞の樹立は困難と判断した。そこで、Cre発現依存的IDH1R132H遺伝子発現をできるマウスの作成を行うこととした。Cre/loxPシステムによるIDH1R132H遺伝子導入ベクターを作成した。作成したCre/loxPシステムIDH1R132H遺伝子導入ベクターをマウスES細胞に導入した。シークエンスではES細胞へのIDH1R132H遺伝子導入ベクター導入を確認しており、今後サザンブロッティングで確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IDH1R132H変異を有する細胞株の培養条件を、手術標本からのグリオーマ細胞、ヒトiPS細胞由来神経幹細胞を用いて検討したが、研究に必要となる細胞数を得るだけの継代が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
Cre/loxPシステムIDH1R132H遺伝子導入ベクターを導入したマウスES細胞の確認作業を行った後、Cre発現依存的IDH1R132H遺伝子発現をできるマウスの作成を行い、その表現型を解析する。CDKN2aやTrp53を加えることによる表現型の変化についても解析を進めるべく、マウスの作成を進める。樹立されたグリオーマ細胞株の腫瘍幹細胞ライブラリーを用いて、それぞれの細胞株の全ゲノムの遺伝子解析、DNAメチル化状態の解析を進めて、幹細胞維持、腫瘍細胞分化で生じている転写因子ネットワークの異常を解析する。in vitro、in vivoの解析では、グリア、神経細胞へと分化させた細胞を用いて増殖能、浸潤能、細胞運動、神経細胞機能を細胞生物学的解析法で同定する。遺伝的背景の異なった細胞群での比較で、クローン進化と表現型の関係を解析する。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れのため
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] High PD-L1 expression associated with CD8+ T cell infiltration and poor prognosis in human medulloblastoma2017
Author(s)
9.Daiki Murata, Yohei Mineharu, Yoshiki Arakawa, Bin Liu, Masahiro Tanji, Makoto Yamaguchi, Ko-ichi Fujimoto, Nobuyuki Fukui, Yukinori Terada, Ryuta Yokogawa, Maki Yamaguchi, Sachiko Minamiguchi, Susumu Miyamoto
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Journal Title
Journal of Neurosurgery
Volume: 128
Pages: 710-716
DOI
Peer Reviewed
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