2016 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマのBRAF V600E遺伝子変異を標的とした新規治療法の開発
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16K10762
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
黒田 順一郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90536731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30359963)
篠島 直樹 熊本大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (50648269)
牧野 敬史 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90381011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | BRAFv600e / gliobalstoma / molecular targetting |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は膠芽腫の臨床検体からの初代培養系の樹立の追加を行うとともにBRAFv600e膠芽腫臨床データについて検討を行った。目的は膠芽腫において若年齢は一般的に予後良子因子の一つとされる。しかし、そのような集団の中でも転帰不良症例が存在する。BRAFv600eの関与について調べるために若年成人膠芽腫の予後不良例5例の特徴について検討を行った。方法として2005年から2015年にかけて当院で治療を行った膠芽腫患者のうち20-39歳までの症例で手術日から起算しOSが一年未満であった症例を若年成人膠芽腫予後不良症例と定義し検討した。初発テント上膠芽腫21症例(男5女16、年齢23-39歳、中央値32歳)を対象とした。結果として5例(男1女4、23.8%)が生存期間一年未満の予後不良症例であった。平均生存期間は243日(中央値343日、最短66日、最長364日)であった。このうち広範な脊髄播種を呈した症例が4例存在した。5例中2例はそれぞれの生存期間が66日と93日と極めて不良であった。この2例は類上皮様の病理組織像を呈しておりBRAF V600E変異を有した。提示した症例の予後には播種の関与が大きく関与していた。今後もこの予後不良の転帰に関与する病理学的、分子生物学的なデータのさらなる蓄積が必要であると考えられた。また、このような症例では術後補助療法の個別化が必要となる可能性がある。次年度以降も今回明らかになった検討事項について研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の計画にそっておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には臨床検体から確立したcell lineを用いて薬効薬理学的検討を行うよ計画としている。
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Causes of Carryover |
平成28年度に於いて薬効薬理試験で計画していた実験にまで至らなかったために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度では平成28年度に生じた差額を用いて未施行の実験を試行していくことを計画している。
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Research Products
(1 results)