2017 Fiscal Year Research-status Report
新規癌抗原分子KIF20Aの神経膠腫における発現・機能解析
Project/Area Number |
16K10770
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三輪 点 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師(学部内) (20365282)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | KIF20A / 新規癌抗原分子 / 神経膠腫細胞株 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新規癌抗原KIF20A(Kinesin family member 20A)が神経膠腫の分子治療標的となりうるかを検証するものである。新規癌抗原KIF20Aは膵癌を中心にすでに免疫治療の標的分子として期待されているが、本分子は癌細胞の増殖に強く関与することからOncoanti genという理想的な癌抗原として特に期待されている。我々はすでに複数の神経膠腫組織や細胞株でKIF20Aが高発現し、Kockdown Assayで増殖抑制効果を示すという結果を得ており、神経膠腫でのさらなる発現・機能解析を試みることでKIF20Aを標的とした新たな治療 法の開発を目指すことを目的としている。 本年度は、KIF20Aの機能解析を行った。抗腫瘍効果をもたらすメカニズムの解明として細胞周期に与える影響や細胞死誘導の有無を解析した。KIF20A は細胞質分裂に関与することがわかっているので、神経膠腫細胞株を細胞周期M期に同調させた際にKIF20Aの発現量がどのように変化するのか評価した。siRNA によるKIF20A 阻害下における細胞周期をFACS で解析し、アポトーシス誘導能に関してはCaspase 3/7 activity を測定した。KIF20A 阻害下でのAutophagy 誘導の有無の証明にはAutophagy marker(LC3/p62)の発現をWestern blot で調べることで評価した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度にKIF20Aの機能解析まで行う予定であったが、それが達成することができているため、おおむね順調に進展しているとの評価に至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivoにおいて、KIF20Aをknock downした神経膠腫細胞株を免疫不全マウス脳内に移植し腫瘍形成能の変化を解析する。
|
Causes of Carryover |
(理由) 効果的に物品調達を行った結果であり、次年度の研究費と合わせて試薬・消耗品などの購入に充てる予定である。 (使用計画) RNAiを用いてKIF20Aがknock downされた神経膠腫細胞株を調整し、この細胞株を免疫不全マウスの脳や皮下に移植する。一定期間後に担癌マウスから腫瘍を摘出し凍結切片を作成する。この検体を用いた免疫組織学的解析によりKIF20Aの発現、脳腫瘍増殖能・浸潤能への影響、正常脳組織への障害性について検討する。これらの試薬、消耗品の購入に使用する。
|