2016 Fiscal Year Research-status Report
オプトジェネティクスを用いた閉ループ脳深部刺激システムの開発
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16K10787
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 史章 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60529791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅之 大阪大学, 国際医工情報センター, 寄附研究部門教授 (30372626)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 脳深部刺激療法 / 病的脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳深部刺激療法をより効果的な治療法に改良することを目指している。その目的ために、疾患特異的に出現する異常脳波(病的発振現象)をバイオマーカーとして用い、刺激装置を病態にあわせて制御するためのアルゴリズムを構築する。そして、副作用を避け効果的な脳刺激を実現するために光遺伝学技術(Optogenetics)を用いて、次世代の“光遺伝学的閉ループ式脳深部刺激療法システム”を開発する。脳深部刺激療法は、脳神経疾患により制限されている人間の身体機能を回復・補完するための確立された治療法であり、本研究で飛躍的な改善を行うことで、脳神経疾患により苦しんでいる患者の生活の質を改善、また社会の経済的負担を軽減することに貢献する。 平成28年度は (1) 病的発振現象の記録法の確立:パーキンソン病モデルラットからの病的発振現象記録を行う。パーキンソン病モデルラットは6-OHDAの脳内投与によって作成した。定位的に脳深部に刺入された電極より病的発振現象を記録した。 (2) 症状と病的発振現象との関連性の解析 :ラット脳から病的発振現象を記録し周波数、強度、発生源の推定を行い、パーキンソン病症状との関連性を解析を行った。 (3) 刺激に適したアルゴリズムの構築:上記 (2) の結果から、刻一刻と変化する病的発振現象の状態に合わせリアルタイムに刺激パラメーターを変化させるような光遺伝学的閉ループ式脳深部刺激療法システムに適するアルゴリズムを構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者の所属機関の異動があり、環境の整備に時間がかかっている分の遅れが生じている。実験動物の変更を余儀なくされており、代替動物での研究となった。ただ、新型チャネルロドプシンの入手を進め、そのウイルスベクターによる発現が確認できていることはプラス材料であり、今後の研究の進展に大きく寄与するものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、迅速に実験環境の整備を行い、予定通り平成29年度の実験予定を実行する。上記のように本研究における大事な構成要素の一つである、ウイルスベクターの入手は達成できており、その効果性の高さも確認できている。今後はその使用実績を上げて、さらに特徴の抽出を進めていき、最終目標である機器開発に向けて結果を取得していく予定である。
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Causes of Carryover |
代表研究者の移動のため、予算の執行にブランクがあったため、主に消耗品費に誤差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度にそのまま移行する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Protein-retention expansion microscopy of cells and tissues labeled using standard fluorescent proteins and antibodies2016
Author(s)
Paul W Tillberg, Fei Chen, Kiryl D Piatkevich, Yongxin Zhao, Chih-Chieh Jay Yu, Brian P English, Linyi Gao, Anthony Martorell, Ho-Jun Suk, Fumiaki Yoshida, Ellen M DeGennaro, Douglas H Roossien, Guanyu Gong, Uthpala Seneviratne, Steven R Tannenbaum, Robert Desimone, Dawen Cai, Edward S Boyden
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Journal Title
Nature biotechnology
Volume: 34
Pages: 987-992
DOI
Peer Reviewed