2018 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of the importance of central FFAR1 system in nociceptive and emotional behaviors in mice
Project/Area Number |
16K10792
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大吉 達樹 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80315407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90212646)
宮田 篤郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (60183969)
栗原 崇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60282745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | FFAR1 / GPR40 / コカイン / うつ病 / セロトニン / in vivo マイクロダイアリシス法 / 炎症性疼痛 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討結果から、FFAR1は脳内モノアミン遊離を調節することで、情動行動に関与することが示唆された。本年度は、① 依存性薬物コカインによる移所運動活性亢進効果や、② 遷延する疼痛に伴ううつ様行動におけるFFAR1の機能的関与に関してさらなる検討を加えた。 ① コカイン誘発移所運動活性亢進効果におけるFFAR1の機能的役割 コカインを野生型マウス(雄性C57BL/6J)に単回投与(20 mg/kg、i.p.)すると、移所運動活性を急速に亢進させるが、FFAR1遺伝子欠損マウスにおいては、この効果は有意に減弱していた。同様の結果がFFAR1拮抗薬GW1100を用いて再現可能か否かを検討したところ、GW1100(10 mg/kg)の腹腔内前投与(30分前)により、同様な抑制効果が観察された。また、野生型および欠損マウス線条体領域における各種モノアミントランスポーター、ドーパミンD1およびD2受容体発現レベルを定量的PCR法で比較したが、いずれの分子に関しても有意な変化は認められなかった。現在、各種抗体を入手し、タンパク質レベルで比較検討している。 ② FFAR1は慢性疼痛に伴ううつ病に関与するか? 疼痛に伴ううつ様行動に対する三環系抗うつ薬アミトリプチリン(10 mg/kg, i.p.)の効果をより詳細に検討すると、炎症性疼痛に伴ううつ様行動は野生型およびFFAR1欠損マウス共に抑制傾向であったが、末梢神経障害性疼痛に伴ううつ様行動には無効であった。しかし別種の三環系抗うつ薬イミプラミン(60 mg/kg, i.p.)は末梢神経障害性疼痛に伴ううつ様行動には依然無効であったが、炎症性疼痛に伴ううつ様行動は野生型、欠損マウス共に有意に抑制した。また本年は、痛みに伴う不安様行動を検出するため、オープンフィールド試験および高架式十字迷路試験を用いた検討を重ねている。
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