2016 Fiscal Year Research-status Report
てんかん原性病変におけるメチオニン集積亢進機序の解明
Project/Area Number |
16K10793
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
花谷 亮典 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (60304424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 大 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (50550076)
細山 浩史 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (70593648)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90212646)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 11C-Methionine PET / てんかん / 原性領域推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的な検討では、頭蓋内病変(限局性皮質形成異常症、結節性硬化症、片側巨脳症、神経膠腫)を伴う難治性てんかん症例において、てんかん原性領域と考えられる皮質病変部においてメチオニンの集積亢進がみられた。一方、難治性てんかんであっても、内側側頭葉てんかん、MRI無病変、限局性皮質形成異常症1型、てんかん原性領域の同定ができなかった結節性硬化症、瘢痕脳回等の症例ではメチオニンの集積はみられなかった。また、てんかん発作を伴わない症例では、画像上で皮質形成異常症や結節性硬化症と診断した例であっても、病変部へのメチオニンの集積はみられなかった。 切除組織を用いた検討では、Iba-1陽性細胞はメチオニン高集積群で非集積群に比して高値であった。陽性例では全例で活性型マイクログリアの集積を認めた。ビメンチンは活性型マイクログリアに一致して陽性を呈したが、GFAPとTNF-αの集積には活性型と非活性型マイクログリアの間で著明な差はなかった。 メチオニンはてんかん発作が難治性に経過する特定の脳疾患において、てんかん原性領域に一致した集積亢進を示した。発作を伴わない例ではメチオニンの集積亢進がないことから、メチオニンPETはてんかん発現に関連した局所炎症過程を捉えている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に立案した計画に沿って、予定通りに進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.メチオニン集積とてんかん発作との臨床的な関連について、さらに症例を蓄積する。 2.メチオニンの高集積とてんかん原性領域との関連について、術後症例の経過から検討を進める。 3.摘出組織を用いた検討についても、症例の蓄積とともに、サイトカイン測定に着手する。 メチオニン集積と炎症反応との関連についても、摘出組織を用いたミクログリア活性化状態炎症関連蛋白の解析を進める。 また、本年までの結果から炎症反応の亢進が確認されたことから、摘出組織を用いたサイトカインの検出・測定にも着手する。
|