2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of methionine accumulation in epileptogenic lesions
Project/Area Number |
16K10793
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
花谷 亮典 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60304424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 大 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (50550076)
細山 浩史 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70593648)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90212646)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メチオニンPET / 皮質形成異常症 / 薬剤抵抗性てんかん / てんかん原性領域 / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的な検討にて、結節性硬化症と限局性皮質形成異常症/片側巨脳症に伴う薬剤抵抗性てんかん症例において、それぞれ約60%と90%で、てんかん原性領域と推定される部位でのメチオニン集積が亢進した。一方で、メチオニンが集積しなかった結節性硬化症の症例では、他の検査手法を総合した結果でも、てんかん原性領域の同定ができなかった。また、てんかん発作を伴わない症例では、画像上で結節性硬化症や皮質形成異常症と診断した例であっても、病変部へのメチオニンの集積はなく、結節性硬化症と限局性皮質形成異常症/片側巨脳症、そして脳腫瘍を除き、他の疾患に伴って生じる薬剤抵抗性てんかんでは、推定されるてんかん原性領域にメチオニンの集積は見られなかった。 また、結節性硬化症と限局性皮質形成異常症/片側巨脳症を伴う薬剤抵抗性てんかんでは、メチオニンが集積した症例はいずれも切除外科の適応となった。また、メチオニン集積部位を完全に切除できた症例では、術後2年目の時点で発作は消失ないしは著減した。 切除組織を用いた検討では、mTOR発現において、てんかん発現の有無に関連はみられなかった。また、Iba-1陽性細胞はメチオニン非集積群に比して高集積群で増加しており、その全例で活性型マイクログリアの集積を認めた。TNF-αの集積には活性型と非活性型マイクログリアの間に著明な差はなく、てんかん発現に際して、ミクログリアの細胞障害性がより亢進している所見には乏しいと考えられた。 以上の結果から、メチオニンPETは結節性硬化症と限局性皮質形成異常症/片側巨脳症において、てんかん原性領域を示す有用な評価法であることが確認された。メチオニンが集積する機序についてはさらなる検討が必要である。
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