2017 Fiscal Year Research-status Report
実験的脊髄損傷に対する骨髄幹細胞移植におけるエクソソームを介したペリサイトの再生
Project/Area Number |
16K10794
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20301400)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
浪岡 愛 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60748995) [Withdrawn]
中崎 公仁 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70722461)
浪岡 隆洋 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70748996) [Withdrawn]
押切 勉 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70754612)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまで骨髄幹細胞移植が、実験的脊髄損傷動物モデルに対して、治療効果を有することを明らかにしてきた(Sasaki et al., 2001, 2004, 2006, 2007, 2009, 2011; Lankford and Sasaki et al., 2008, Osaka et al., 2010, Morita et al., 2016)。治療効果発現のメカニズムとして、骨髄幹細胞の産生するBrain Derived Neurotrophic Factor (BDNF)などの神経栄養因子による神経栄養・保護作用、損傷軸索の再生、損傷ミエリンの修復、免疫調節作用、血管新生作用、神経可塑性の亢進などが協奏的に作用することを明らかにしてきた (Sasaki et al., 2007, 2009, 2011, Osaka et al., 2010) 。 さらに、これまでに実験的脊髄損傷モデルに対する骨髄幹細胞の経静脈的移植による運動機能回復には、ペリサイトを含む血液脊髄関門(blood spinal cord barrier: BSCB)の安定化と修復が強く関与することを、evans blueの組織内漏出の定量、中枢神経系の微小血管を構成する血管内皮細胞やペリサイトの免疫組織学的解析、微小血管の直径の変化などで示し、血液脊髄関門の安定化・修復が、運動機能の改善に貢献する可能性を示唆したことを踏まえ(Morita et al., 2016)、本申請においては、実験的脊髄損傷動物モデルに対する骨髄幹細胞による治療メカニズムの解析において、血液脊髄関門の安定化と修復に関する詳細な検討などを行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、本研究費によって、ラット脊髄損傷モデルを作成し、胸髄(Th10)レベルに直接損傷を加えるモデルに対し、骨髄幹細胞の移植実験を行い、行動学的データなどを収集してきた。また、組織学的な解析法を取り入れて、免疫組織化学および電子顕微鏡学的方法によるデータを収集してきた。特に、血管内皮細胞の抗体であるRECA-1、ペリサイトの抗体であるNG2、アストロサイトの抗体であるGFAPなどによる免疫染色を行っており、脊髄損傷後の微少血管系の解析を行ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究費によって、ラット脊髄損傷モデルを作成し、胸髄(Th10)レベルに直接損傷を加えるモデルに対し、骨髄幹細胞の移植実験を行い、行動学的データなどを収集してきた。また、組織学的な解析法を取り入れて、免疫組織化学および電子顕微鏡学的方法によるデータを収集してきた。特に、血管内皮細胞の抗体であるRECA-1、ペリサイトの抗体であるNG2、やアストロサイトの抗体であるGFAPによる免疫染色を行っており、脊髄損傷後の微少血管系の変化に関する解析を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画に従い、予定通り研究は進行したが、当初予定より、若干、安価な物品を使用することが可能であったことから、予定より80,272円の残額が生じた。本研究計画の予定通り、ラット代、試薬代、キット代 などの消耗品に使用する予定である。
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