2017 Fiscal Year Research-status Report
術中皮質脳波におけるセボフルラン濃度切替・高周波振動はてんかん焦点を推定可能か
Project/Area Number |
16K10797
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
田村 健太郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00423913)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高周波振動 / 術中皮質脳波記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性局在関連性てんかんに対する焦点切除術のために,慢性頭蓋内脳波記録および術中脳波記録(セボフルラン0.5MAC10分間,1.5MAC10分間)を,high sampling周波数で記録できた症例は平成30年4月末現在で17例となった.内訳は内側側頭葉てんかん1例,外側側頭葉てんかん6例,前頭葉てんかん7例,後頭葉てんかん3例.今年度も5例程度の上乗せが予想できている. 慢性頭蓋内脳波記録中および術中脳波記録中の高周波振動high frequency oscillations(HFO)の出現電極を確認し,発作起始域との関連,慢性頭蓋内脳波記録と術中脳波記録との相違,またセボフルラン濃度を変更した際の出現部位,周波数の変化を確認している. spikeに関しては,とくに海馬におけるspikeの増加率は予想どおり有意に増加し,切除が必要かどうかの判定が可能である可能性を示唆するが,HFOに関しては,あきらかな頻度の増加を認めていない(有意な差はない).ただし,頻度の増加を認めないという所見自体が新たな知見であると考えられるため今後も解析を続行する意義はあると考える.また,周波数の増加を認める症例があり,この所見が,今後有益な切除非切除の判断材料になる可能性があると考えている. これまでは,日本光電社製の脳波計そを用いて視察的に解析をしていたが,前年度から,HFO解析のために,脳波解析ソフトウェアEMSEを導入して処理の迅速化を図っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に導入したEMSEにより,HFOの解析を開始しているが,どのような解析条件が最適か試行錯誤する必要があった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に,現在までに蓄積した頭蓋内脳波記録を解析する.症例は予定どおり増加しており,統計解析は可能と考える. 解析時間の確保が必要で,本研究に対するエフォートを増加させる.
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Causes of Carryover |
脳波解析ソフトウェアEMSEが予定より安価で入手できたことと,次年度に脳波データを保存するためのNAS購入を予定している.
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