2016 Fiscal Year Research-status Report
チタン製インプラント形状と骨再生の関係に関する研究
Project/Area Number |
16K10804
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Research Institution | 秋田県立脳血管研究センター(研究部門) |
Principal Investigator |
菅原 卓 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), その他部局等, 研究員 (80241660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨再生 / チタンプレート / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:脊椎変性疾患の治療として脊椎固定術が広く行われているが、固定インプラントが早期に骨癒合すれば、癒合不全や感染などの合併症が抑制される。しかし、これまでインプラントの微細構造と骨癒合の関係についての検討は十分に行われていなかった。本研究ではチタン製プレートに様々な微細加工を行い、骨癒合を促進する至適条件を探索する。 方法:平成27年度までの予備実験でチタンに直径1-5mmの円形メッシュ孔、特に直径2-3mmのものを設けることにより骨癒合が促進されることが判明した。平成28年度には厚さ1.5mmのメッシュプレートに直径2, 3mmのメッシュ孔を穿ち、ビーグル犬3頭(成犬、1歳9か月~3歳7か月、12.8-14.5kg)の頭頂骨、腸骨に合計12個のメッシュ孔(2, 3mm)付チタンプレートを装着した。装着直後、1,2,3か月時にCTを撮影し、3か月時にチタンプレートを骨ごと摘出し、視診・高解像度CT・触診・走査電顕によりメッシュ孔内の骨再生を評価した。骨再生に関してグレーディング(グレード1~4)を行ってFisher’s exact testで検定を行った。 結果: 移植したすべてインプラントで明らかな骨再生を認めたが、グレード3以上の旺盛な骨再生を認めたのは頭頂骨の2mmメッシュ孔で10%、3mmメッシュ孔で43%、腸骨の2mmメッシュ孔で82%、3mmメッシュ孔で80%であった。走査電顕でメッシュ孔を通過した明らかなトラベクラーボーンが観察された。統計学的検討では2mmメッシュより3mmメッシュで、頭頂骨より腸骨で、それぞれ骨再生が有意に良好であった。感染やプレートの脱転はみられなかった。 考察:今回の検討ではチタン製プレートの骨癒合は頭蓋骨より腸骨で良好であり、2mmより3mmメッシュで旺盛であった。これらの結果をもとに平成29年度にさらなる検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビーグル犬3頭を使用した研究は順調に行われ、統計学的解析により骨再生を促進するメッシュ孔のサイズが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の結果をもとに、平成29年度に微細構造や骨再生促進物質の効果の検討を行う。
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Causes of Carryover |
物品費の使用額が予想を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に物品費として使用する。
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Research Products
(3 results)