2016 Fiscal Year Research-status Report
頭蓋縫合早期癒合症の系統的遺伝子解析および骨分化のメカニズム解明
| Project/Area Number |
16K10805
|
|---|
| Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
|---|
Principal Investigator |
新保 裕子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 研究員 (50724663)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 進 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (50254181)
佐々木 康成 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (70332848)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 頭蓋縫合早期癒合症 / 歯髄細胞 / TWIST1 / FGFR2 / FGFR3 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
頭蓋縫合早期癒合症は、先天的要因により頭蓋骨、顔面骨の縫合が早期に閉鎖する疾患である。現在でも病因に対する根本的な治療法はなく、変形した頭蓋や顔面骨を外科手術により治療する。研究の目的は、1）頭蓋縫合早期癒合症の系統的遺伝子検索および経過・予後の判定、データ集積、2）病態解明に繋げるために、患者由来の間葉系細胞(歯髄細胞)維持培養・保管、3）さらに、歯髄細胞を用いた機能解析より、骨分化メカニズム解明、治療応用に繋げる。
今年度は、1) 頭蓋縫合早期癒合症の系統的遺伝子検索のうち、Saethre-Chotzen 症候群の責任遺伝子TWIST1の解析フローチャートを作成した。それに基づいて解析を行ったところ、２件においてTWIST1および隣接する遺伝子を含む欠失が認められた。１症例については、論文報告した。
2) 歯髄細胞の維持培養、骨芽細胞への分化条件検討、基礎的な部分として細胞倍加時間、マイコプラズマ汚染検査等を行った。3）骨分化メカニズム解明、治療応用については、来年度以降予定している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1）頭蓋縫合早期癒合症の系統的遺伝子検索 (おおむね順調に進展している)
1st, 2nd line；hot spot サンガー法(FGFR2，FGFR3，FGFR1，TWIST1，TCF12，EFNB1), 3rd line；次世代シークエンス(当センターメディカルゲノムセンター)流れをつくり、Apert、Crouzon、Pfeiffer症候群、Muenke症候群およびSeathre-Chotzen症候群等の解析ができる。
2) 歯髄細胞の維持培養、骨芽細胞への分化条件検討(おおむね順調に進展している)
3) 骨分化メカニズム解明、治療応用 (来年度以降予定)
|
| Strategy for Future Research Activity |
1）頭蓋縫合早期癒合症の系統的遺伝子検索 引き続き行う。
2）歯髄細胞の維持培養、骨芽細胞への分化条件検討 引き続き行う。
3) 本研究疾患の頭蓋縫合早期癒合症のモデル細胞、鎖骨頭蓋骨異形成症のモデル細胞、コントロール細胞を用いて、骨芽細胞分化誘導を行い、アルカリフォスファターゼ(ALP)、アリザリンレッド(ALZ)染色、骨分化各段階での遺伝子発現を定量的PCR法で調べる。
|
| Causes of Carryover |
今年度は、歯髄細胞の評価として染色(アルカリフォスファターゼ、アリザリンレッド)、定量RT-PCRを中心に行った。フローサイトメトリーを用いた細胞解析を実施しなかったため、抗体を次年度購入する。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞表面マーカーの抗体を購入する。
|
