2016 Fiscal Year Research-status Report
末梢神経損傷に対する多血小板血漿療法の効果に関する研究
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16K10808
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
原 友紀 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30431688)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 末梢神経再生 / 多血小板血漿 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢神経再生に対する多血小板血漿の有用性を調べるための動物実験を行った。対象:日本白色家兎40羽。動物実験モデル作製:ケタラール・セラクタール麻酔(筋注)下に左大腿部坐骨神経を展開。坐骨神経中央部を20mm切除し、切除した神経を反転し遠位および近位断端と端々縫合(反転グラフト法による遊離神経移植した後、以下の実験群(各群n=10)を作成した。 a:PRP投与・4週評価群 b:PRP投与・12週評価群 c:コントロール・4週評価群 d:コントロール・12週評価群。評価項目:電気生理検査、組織学的検査、免疫組織学的検査を行い、神経再生促進効果があったかどうか、またそのメカニズムについて検討した。結果、PRP投与群では、再生軸索径の増大と再生軸索数の増加が観察され、免疫染色でシュワン細胞の増殖が亢進していることがわかった。in vivoの実験で良い結果が得られ、追加のin Vitroの実験の必要性は低くなったため、調整条件や投与条件の検討をそのままin vivoで行った。結果、神経片を活性化(ゲル化)する前のPRPに浸漬したのち縫合し、縫合後、ゲル化したPPPを投与する方法で神経再生が良好であることを発見した。末梢神経に対するPRP療法の安全性と有効性が確認できたと判断し(非臨床POC取得)、ヒトへの応用を目指し、第1相臨床試験プロトコールを作成ののち、再生医療法に則った各種書式の準備調整を行って、第3種再生医療等委員会の審査を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の現時点までの目標である動物実験による非臨床proof of conceptの取得を達成できた。今まで類似の実験はあったが、末梢神経再生のメカニズムは調べられていなかったtころ、我々の研究はこれを示した。次年度の目標である人への臨床応用に向けて、再生医療法に則り、第3種再生医療等製品として委員会での審査を受けた。現在、厚生労働省で審査中であり、来年度予定通り、ヒトでの臨床研究を開始できる見込みであるため、概ね順調に伸展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
厚生労働省より再生医療の承認が得られれば、臨床試験を開始する。研究全体の目標症例数は20例であり、本申請の研究期間内にすべての試験が終了はしないが、安全性確認の最低症例数と考えられる5例について完了することを目的として取り組む予定である。平成29年度までに行った動物実験は論文2本にまとめ発表する予定であり、すでに1本は投稿済みである。最終年度の計画も予定通り遂行し、得られた結果を公表・報告する
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Research Products
(1 results)