2018 Fiscal Year Annual Research Report
The search of target molecules and therapeutic development for neuropathic pain using animal models
Project/Area Number |
16K10813
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (90451971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20401391)
大川 淳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30251507)
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20323694)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 末梢神経損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度では、マウス神経障害性疼痛(SNI)モデルを使用して、後根神経節(DRG)でアルギニンバソプレッシン(AVP)受容体の高発現を明らかにした。AVP受容体のサブタイプのなかでAVPR1aの発現が高かった。AVPR1aは脳での分布が主であり、DRGでの報告は1例のみである(Moriya et al. Brain Res. 2012 )。同報告では、AVPR1aは神経細胞よりもサテライトグリアでの関与が高く、今年度は、SNIマウス慢性期に腰部DRGを単離・酵素処理してDRG内のグリアの単離が可能か検討した。また、SNIマウスにAVPR1aアンタゴニストを使用した疼痛抑制試験を実施した。 YFPマウスを使用してSNI作製後3週で腰部DRGを単離し、Liuらの方法(J Neurosci Methods 2017)に従ってパパイン処理を行った。細胞塊形成が顕著だったためCollagenase Pで酵素処理し、FACSを実施した。YFP陽性神経細胞は検出可能で細胞サイズに関して2峰性を示し、グリアの選択的単離が可能となった。グリア細胞数は、健側よりもSNI側で約11%増加していた。DRGグリアを選択的に回収することが可能となり、AVPR1aの発現パターン解析で慢性疼痛時の役割を明らかにしていく。 3種類の濃度のAVPR1a アゴニストを準備した。SNI作製3週後にアゴニストを短時間で腹腔内に投与した。低濃度で変化無く、中・高濃度アゴニストでは機械刺激での過敏性の閾値低下を認めた。このことは、腰部DRGでのAVPR1aの過活動が神経障害性疼痛に抑制的に作用することを示唆するものであった。 本研究計画に記載したRNA制御による新規疼痛治療の開発には間に合わなかったが、現在、AVPR1aノックアウトマウスの解析を進めている。今後も疼痛慢性化の機序解明と新規治療法の開発を目指していく。
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