2018 Fiscal Year Research-status Report
股関節疾患における関節不安定性の関与の解明と治療評価
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16K10819
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
坂井 孝司 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00444539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅本 一臣 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (40294061)
菅野 伸彦 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70273620)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 股関節 / 不安定性 / 筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
①3D-MRIとvolume registration法による生体股関節における不安定評価. MRI装置(SIEMENS MAGNETOM Espree)を使用して、60歳以上の正常男性ボランティア10名(平均年齢68歳)に対してtrue FISP法により撮像した、中間位、伸展位、屈曲位、Patrick肢位各々での3D-MRI画像データについて、volume registration法による大腿骨頭中心位置の3次元的移動距離と移動ベクトルを解析した。これまでに解析済みである若年男性10例(平均30歳)、若年女性10例(平均30歳)、60歳以上女性10例(平均68歳)の解析結果と比較し、以下の結果を得た。1.中間位における寛骨臼中心-大腿骨頭中心の位置関係について、60歳以上の大腿骨頭中心は若年者よりも尾側に位置していた。2.中間位から屈曲位での大腿骨頭中心変位について、60歳以上の大腿骨頭中心の変位量は若年者よりも大きかった。3.中間位から伸展位での大腿骨頭中心変位について、60歳以上と若年者で差を認めなかった。4.中間位からPatrick肢位での大腿骨頭中心変位について、60歳以上の大腿骨頭中心の変位量は若年者よりも小さかった。 ②股関節可動域シミュレーションにおける股関節唇の三次元形態の影響 人工股関節全置換術時に摘出可能であった股関節唇について、解析条件と整え、非接触性三次元スキャナーによる三次元形態計測を行い、股関節可動域シミュレーションを行った。 ③人工股関節全置換術後の不安定性評価・経時的筋力評価. 人工股関節全置換術施行25例について、ベルト固定型ハンドヘルドダイナモメーターによる筋力評価を術前術後経時的に評価し、骨盤側方傾斜と股関節外転筋力との関係を調査した。術後疼痛改善と可動域改善により症例を増やしても骨盤側方傾斜と外転筋力に相関が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は最終年度であったが、平成30年7月から大阪大学大学院医学系研究科整形外科から山口大学大学院医学系研究科整形外科へ異動となり、研究実施場所が変更となったため、新たな勤務地での研究承認申請等業務の増加と研究環境の整備に時間を要した。これまでに得られていた①3D-MRIデータと③人工股関節全置換術後データについては解析を進め概ね予定通り進行しているが、②股関節唇研究については得られたサンプルが不足しており、やや遅れている。このため1年間の研究期間延長を申請し承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
①生体股関節における不安定評価について、解析結果を論文として投稿する。②股関節唇研究については、症例数を増やして可動域シミュレーションを進める。③人工股関節全置換術後の不安定性評価については解析を進め結果をまとめる。
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Causes of Carryover |
平成30年7月から勤務機関が変更となり、研究環境の整備に時間を要し、動作解析に必要な装置購入が遅れたため。研究期間延長を申請し承認され平成31年度に予定することとなった。
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Research Products
(5 results)