2017 Fiscal Year Research-status Report
脊髄損傷に対する、肋間神経移行術による脊髄回路再生の研究
Project/Area Number |
16K10827
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森野 忠夫 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20380248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 直則 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (30291503) [Withdrawn]
日野 雅之 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (40789137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 肋間神経移行 / トレーサー |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度の研究計画として、「トレーサーを用いた、脊損後肋間神経後索移行モデルの脳motor neuronから後肢motor neuronまでの接続確認 」を行った。第11胸髄で脊損(IH impactor 100dyn)処理を行った後に右第10肋間神経を剥離 切断して第12胸髄レベルの後索に移行した。2週間後に左脳の運動野にBDA10000を2μL、3カ所に分けて注入した。さらに、肋間神経を移行したカ所より遠位の第13胸椎レベルの右側に逆行性トレーサー(Fluoro Ruby)を2μL注入した。2週間後に、第10レベル(移行した肋間神経の運動神経細胞体があるレベル)の凍結切片を作成して観察した。 蛍光顕微鏡での観察を行った。遠位からのFluoro Rubyは、肋間神経を逆行して、神経細胞体まで輸送されていることが確認できたが、脳からのBDAは確認することが困難であった。原因として、下位胸椎まではBDAが届きにくい可能性がある。次善策として、注意胸椎からFluoroGoldなどの氏きをを使って神経経路の下肢かを試みる予定である。また、計画には無かったが、共同研究者とのdiscussionで、肋間神経が再生しようとしているときに何らかのシグナルが出ている可能性があり、それをとらえることはできないか検討したところ、脊損・肋間神経移行に行動学が回復する3週間目の移行した肋間神経細胞体のある第10胸髄レベルの組織からマイクロアレイでcontrol群とmRNAの発現の差を調べることとなり、結果、約70種類のmRNAが肋間神経移行モデルで有意に上昇していた。今後解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計の確立を1年目で行い、2年目の当該年でニューロトレーサーによる神経回路再構築の証明を行う予定であったが、色素が薄くまだ確認できていない。別の色素を使うなどして研究を進めていく予定である。また、上記肋間神経が伸びていくときの細胞体でのmRNA発現量の測定を追加で行うこととし、約70種類のmRNAの有意な上昇をcontrol群と比べて肋間神経移行モデルで認めている。
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Strategy for Future Research Activity |
少し遅れは出ているが、解決策は考えているので、このまま予定通りの研究と、追加したマイクロアレイによるmRNA発現の解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅れに従って、トレーサーやラット購入が予定より少なく、次年度に繰り越した。①ラットの購入、②トレーサーや試薬の購入、③染色約や麻酔薬などの消耗品にそれぞれ10万円ずつ追加して、およそ①400千円、②500千円、③600千円を使用予定である。
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