2016 Fiscal Year Research-status Report
脊椎固定術における椎弓根スクリューのトルクと椎体骨密度の質的評価
Project/Area Number |
16K10838
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
豊根 知明 昭和大学, 医学部, 教授 (10407918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 克記 昭和大学, 医学部, 教授 (50245833)
松岡 彰 昭和大学, 医学部, 助教 (60465119)
工藤 理史 昭和大学, 医学部, 講師 (60621985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 椎弓根スクリュー / トルク / QCT / DXA / BMD / 骨密度 / 椎体 / 椎弓根スクリュー軌道上骨密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】諸家の報告ではDXA法による骨密度(BMD)は、椎弓根スクリュー(PS)の最大挿入トルクと相関する。しかし2次元評価であるDXA法では骨棘や血管の石灰化の影響を受けやすい。私たちは3次元評価が可能なQCTを用いて椎体海綿骨の骨密度測定を行い、「椎弓根スクリュー軌道上骨密度(PS BMD)」の概念を新たに考案した。本研究では最大挿入トルクに関与する因子について骨密度(DXA・QCT)、骨代謝マーカー(TRACP-5b, Total-P1NP)、椎骨の形態学的特徴を中心に調査し、PS BMDの有用性について検討した。 【方法】脊椎手術患者34例に挿入された逸脱のないPS(径7.5, 8.5mm)123本の最大挿入トルク(トルクレンチを使用し術中に測定)を前向きに調査した。PS BMD は「PS軌道である椎体外側1/2の3次元骨密度」と定義し、QCTを用いて左右別々に測定した。調査項目は年齢、BMI、患者背景、骨密度、骨代謝マーカー、椎弓根径、椎弓・椎弓根・椎体に刺入されている各々のスクリュー長とし、重回帰分析を用いて最大挿入トルクに寄与する因子を解析した。 【結果】最大挿入トルクは、従来の骨密度測定法と比し、より強くPS BMDに相関していた【(DXA: Spine BMD, r=0.48, P<0.01), (QCT: PS BMD, r=0.61, P<0.01)】。最大挿入トルクに寄与する独立した因子は、年齢(標準β=0.17、P<0.03)、BMI(標準β=2.12、P<0.01)、PS BMD(標準β=0.54、P<0.01)であり、自由度調節寄与率R2=0.43であった。 【結語】椎弓根スクリュー軌道上骨密度(PS BMD)により、椎弓根スクリューの固定性をより正確に予測し得た。PS BMDを術前計画に反映することで良好な長期成績の獲得に寄与し得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進行しており、今年度はさらに有限要素法を用いた、椎弓根スクリュー軌道上骨密度(PS BMD)の臨床的な意義の検討を開始しております。
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Strategy for Future Research Activity |
生体における術中の椎弓根スクリュー最大挿入トルクは、従来の骨密度測定法に比し、より強く椎弓根スクリュー軌道上骨密度(PS BMD)と相関していた。今後はさらに有限要素法を用いた研究により、脊椎の骨質・骨の形態と、スクリューの形状や太さをはじめとするさまざまな条件下での椎弓根スクリュー最大挿入トルクを検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
購入金額の関係で、若干の残金(40円)が発生しました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額なため特にありません。
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Research Products
(2 results)