2017 Fiscal Year Research-status Report
脊椎固定術における椎弓根スクリューのトルクと椎体骨密度の質的評価
Project/Area Number |
16K10838
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
豊根 知明 昭和大学, 医学部, 教授 (10407918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 克記 昭和大学, 医学部, 教授 (50245833)
松岡 彰 昭和大学, 医学部, 助教 (60465119)
工藤 理史 昭和大学, 医学部, 助教 (60621985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨密度 / 椎弓根スクリュー / トルク / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
CT検査は骨密度の指標となるキャリブレーションファントム(Mindways, Austin)を敷き、条件を統一して撮像。得られたCT情報より、患者の3次元椎体有限要素モデル(第4腰椎)を作成する。有限要素モデルは皮質骨内側及び海綿骨は四面体要素を使用し、皮質骨外側表面はシェル要素で構成(四面体要素:平均サイズ1mm, シェル要素:厚さ0.2mm三面体要素)。実際の骨構造の不均一性を反映させるため、CT画像のHU値(Hounsfield Unit)にKeyakの式を用いてヤング率や圧縮降伏応力を当てはめ、ポアソン比は0.4と設定した。 次に3次元椎体モデルに椎弓根スクリュー(スクリュー径7.5mm, スクリュー長40mm, ZODIAC-Spinal Fixation System, Alphatec)を手術計画に沿って挿入。スクリューは、細かなスレッド形状も解析できるよう、高画質µCTによりSTLデータ(Stereolithography)を委託して作成したものを使用した(HUMAN CO, Kumamoto)。スクリューの材質特性はコバルトクロム合金と同様に設定し(ヤング率; 220GPa, 圧縮降伏応力; 900MPa, ポアソン比; 0.33)[Mahmoud A, J Prosthet Dent, 2005]、骨とスクリューの境界部は過去の報告を元に摩擦係数はゼロとした。 抗RANKLモノクローナル抗体・SERM製剤の引き抜き試験の結果は、A.抗RANKLモノクローナル抗体は投与1年後のスクリューの固定性を向上させていた。B.今回解析したSERM製剤の症例では薬剤介入にも関わらず、引き抜き強度は若干下がっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究1年目における骨密度と術中の椎弓根スクリュー挿入トルク測定の研究に引き続き、2年目には有限要素解析を用いた研究が順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
椎体の頭尾側終板を拘束した状態でスクリューヘッドに引き抜き強度をかけ、軸方向に引き抜き試験を行う(1Stepは20Nとし、引き抜き強度を1Stepごとに増強)。引き抜き強度は荷重変形曲線の変曲点と定義する[Matsukawa K, J Neurosurg Spine, 2016]。抗RANKLモノクローナル抗体・SERM製剤それぞれの引き抜き試験を行う。以下の手法をもって統計学的解析を施行する。 (1)各薬剤群におけるスクリューの引き抜き強度の比較検討(Baseline vs1Y) (Wilcoxon signed-rank test) (2)両骨吸収抑制剤間における引き抜き強度改善率(抗RANKLモノクローナル抗体 vs SERM製剤)の比較検討 (Mann-Whitney’s U test) (3)引き抜き強度と骨密度[DXA(g/cm2)・QCT(mg/cm2)]との相関関係についての検討(Spearman rank correlations) 最も重要となる有限要素解析は、時間と費用、そして複雑な解析に難渋することが想定されるため、共同研究者とはカンファレンスを月に1回行い、連携強化を計っている。
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Causes of Carryover |
端数として40円の使用額が生じました。
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