2018 Fiscal Year Research-status Report
次世代型機能的MRIを用いた脊髄損傷後の運動・感覚機能回路の可視化
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16K10842
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
小牧 裕司 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 室長代理 (10548499)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MRI / resting state fMRI / functional MRI / 安静時機能的MRI / 脊髄損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脊髄損傷に対する再生治療の実現化を視野に、治療の障害となっている感覚異常と運動機能の客観的な評価法を確立することで、病態に関する脳内メカニズムおよびその治療効果をマウスの脊髄損傷実験を通じて明らかにすることを目的とする。具体的に、次世代型機能的MRIを用いて運動および感覚機能ネットワークの機能再構築・代償の過程を可視化する。さらに、この脳機能ネットワークの可逆的・非可逆的な変性時期を各種治療法による介入によって明らかとすることを目指す。 2018年度は、昨年度実施した運動・感覚機能障害である脊髄損傷モデルマウスの縦断解析についてScientific reports誌へ論文を投稿し掲載された。行動学的指標、および組織学的指標を併せて計測することでMRIによる評価の正当性を検証した。安静時機能的MRIより得られた結果としては、運動関連領域のネットワークの結合性が低下し、痛み関連領域の結合性が慢性期に上昇していることがわかった。 また、2018年度は研究代表者が他用務にてフランスのMRI研究所であるNeuroSpinと兼任したことにより、本研究を推進することが難しくなったため、研究期間の延長を申請した。他用務ではあったが、神経活動を直接観察することのできるDiffusion fMRIによる評価系をマウスモデルで確立することができた。本手法は、従来のBOLDコントラストをベースとした安静時機能的MRIよりも正確に神経活動を反映している可能性があるため、脊髄損傷モデルのvalidation toolとして役立てることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度は研究代表者が他用務にてフランスのMRI研究所であるNeuroSpinと兼任したことにより、本研究を推進することが難しくなったため、研究期間の延長を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに確立したBOLDコントラストをベースとした安静時機能的MRIは、神経活動に伴った血流応答を副次的に観察している。このため、血流代謝に異常のある疾患の評価には適さない。このため、研究代表者は神経活動を直接観察することのできるDiffusion fMRIを2018年度に習得した。2019年度は本手法を安静時機能的MRIに適用し、その有用性を確かめ、脊髄損傷の従来の手法では観察できなかった領域について運動および感覚機能ネットワークの機能再構築・代償の評価につなげることを目標とする。
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Causes of Carryover |
2018年度は研究代表者が他用務にてフランスのMRI研究所であるNeuroSpinと兼任したことにより、本研究を計画通りに推進することが難しくなったため、研究期間の延長を申請した。 2019年度は、従来の予定であった研究を推進するための実験試薬や成果報告に使用する。
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Research Products
(8 results)