2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of preventive nucleic acid drugs against lung metastasis of osteosarcoma
Project/Area Number |
16K10861
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
尾崎 充彦 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40325006)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | miR-143 / 核酸医薬キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、miR-143核酸医薬による骨肉腫肺転移予防効果を骨肉腫罹患犬を対象に実施する基盤を構築することを目的としている。H29年度までに、ヒトおよびイヌ骨肉腫細胞を用いた自然肺転移モデルマウスへのmiR-143投与による肺転移予防効果を実証しており、H30年度は、イヌ個体へ投与する核酸溶液について検討をおこなった。イヌ個体へのmiR-143投与にはマウス個体への投与と同様にペプチド製剤であるA6Kをキャリアとして混合溶液を作製したところ、液量を増やして作製する過程で一部析出し白濁することが明らかとなった。析出物の存在は、塞栓を生じる可能性があるため、イヌやヒトへの静注に適していないことから、キャリアの変更を検討した。新たなキャリアとして、A3KA3、A4Kおよびポリエチレングリコールグラフト化キトサン(PEG-キトサン)を用いた。A3KA3およびA4Kは、A6Kのペプチド配列またはペプチド数を変更したもので、溶解性の改善を期待した。一方、PEG-キトサンは、カチオン性高分子の一つで低毒性のキャリアであることが知られており、これをPEG化することで親水性および血中での安定性の亢進が報告されている。これら3種のキャリアを用いて、溶媒のpHや合成核酸との混合比率、混合時間をパラメーターとして、溶解性および骨肉腫細胞ヘの導入効率をそれぞれ検討した。いずれのキャリアも核酸との混和による溶解性は高く、透明化条件を明らかにできた。しかしながら、骨肉腫細胞ヘの導入効率は、A6Kと比較し著しく低く、イヌ個体投与に適したキャリアを見出すには至らなかった。
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