2017 Fiscal Year Research-status Report
レシピエントの生体内で血管柄付き同種骨を作成する試み-培養骨髄細胞の利用-
Project/Area Number |
16K10863
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加地 良雄 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30314917)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛梅 祥子 香川大学, 医学部附属病院, 医員 (20771223)
中村 修 香川大学, 医学部, 助教 (40532685)
山本 哲司 香川大学, 医学部, 教授 (80220482)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 同種骨 / 血管柄付き骨移植 / 人工骨 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の実施状況報告書で示したとおり,レシピエントから採取した骨髄細胞は個体間で細胞増殖能の差が大きかったため,残念ながら実用化には至らないと判断された.そのため,同種骨を移植する際,髄腔内にサイトカイン(FGF,VEGF)を添加した人工骨を充填し,さらにレシピエントの血管束を導入することで,血管束から細胞を誘導し,サイトカインによる効果で血管形成,骨形成を誘導する方法に変更した. これまでのところ,本法を用いることで移殖同種骨内で良好な血管形成および骨形成が誘導されることが確認されている.なお血管形成および骨形成の評価はこれらのマーカーとなるmRNA(VEGF,BAP、Osteocalcin, type-1 collagen)の発現量を用いて行った.さらに移植骨内での骨吸収の評価(TRAP,TNF-α)も併せて行った.組織学的評価は非脱灰標本を用い,骨形成ラベリング(カルセイン)の取り込み面積を指標として骨形成の評価を行った.また脱灰HE標本を用い,形成された血管腔の面積を指標として血管形成の評価を行った.さらに脱灰TRAP染色標本を用い,骨表面に付着した破骨細胞数,破骨細胞接着面積を指標として骨吸収の評価を行った. これらの結果は国内および国際学会にて報告した. 現在,本法を用いて作成した血管柄付き移植骨の骨癒合能を評価するため,レシピエントの大腿骨に骨接合を行う研究を遂行している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究方法に変更は生じたが,良好な血管柄付き同種骨を作成する手技を確立した. 今後は骨接合実験,骨欠損充填実験などを行うことで有用性をさらに検討していく予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに確立した方法をもとに,今後は骨接合実験,骨欠損充填実験などを行うことで有用性をさらに検討していく予定である.
そのために,適切な骨接合方法,骨欠損充填方法,評価までの適切な期間設定(骨接合した移植骨の採取時期など)を検討していく必要がある.
|
Causes of Carryover |
研究が比較的順調に進んだため,サイトカイン,実験動物,機器にかかる費用が予定よりも低く抑えられた.次年度使用額は,今後行う予定の骨接合実験や骨欠損充填実験に必要な手術器具などに充てる予定である.
|
Research Products
(2 results)