2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K10873
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原藤 健吾 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00338089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名倉 武雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90306746)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 関節圧センサー / 人工膝関節置換術 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、簡易的な膝蓋大腿関節圧を測定する装置を使用して実験を行った。市販されている人工膝関節(Triathlon、Stryker社製)の膝蓋骨コンポーネントを2つに分割し、その間に薄型の圧センサー(Flexiforce、Nitta社製)を組み込んだ膝蓋大腿関節圧装置を作成した。それを用いてCS(Condyler stabilizing)モデルのトライアルインサートを用いて人工膝関節置換術を行ったときに後十字靭帯(PCL)を切除した時と切除しない時に膝蓋大腿関節圧がどう変化するかをカダバーを用いて調査した。結果は2017年のORS(Orthopaedic Research Society)Annual Meetingで発表した。同時に、膝蓋骨を置換しない状態で膝蓋大腿関節圧を測定するために、小型の6軸センサーを組み込んだ大腿骨コンポーネントの作成に着手した。第1段階目のプロトタイプを実際に作成し、模擬骨を用いて膝蓋大腿関節圧の測定実験を行った。センサーがインプラントから4mmほどはみだしたため、設計を修正した。現在は、センサーの試作品を作製している段階である。 最終的に昨年度末にセンサーをインプラント内に完全におさめたセンサー付きインプラントが完成した。また、膝蓋骨を2mm内側に設置した時の膝蓋大腿関節圧の変化を測定するために、2mm中心位置がずれた膝蓋骨コンポーネントも完成した。 現在は、膝蓋骨を上下に数ミリ移動可能な部品を作成しており、この完成は2018年8月の予定である。これが完成したら実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膝蓋骨を置換しない状態で膝蓋大腿関節圧を測定するために、小型の6軸センサーを組み込んだ大腿骨コンポーネントの作成を始めたが、現状では進捗状況がやや遅れている。その原因として、第一に予想される膝蓋大腿関節圧に耐えうる強度の6軸センサーを小型化するに時間がかかったことが挙げられる。大腿骨インプラントの内部に組み込むため、センサーを約15mm×15mm×25mmよりも小さく設計しなければならず、この作成に時間を要した。第二に、作成した6軸センサーをインプラントに取り付ける方法が難しかったことが挙げられる。大腿骨インプラントに強固にセンサーを固定しなければいけなく、そのためにスペース確保が必要であった。プロトタイプは出来上がったが、実際に実験を行うと、インサートのポストの部分にセンサーがはみ出してぶつかることが分かった。センサーの取り付け方法を工夫することでスペースに余裕を持たせることができたたが、今度はセンサーの固定力が弱まったため、固定ねじを長くするなどの調整を余儀なくされた。再度設計を行い、2017年度末にセンサー付き大腿骨インプラントは完成したが相当な時間を要した。膝蓋骨を2mm横にずらす部品については予定通り作成が終了し、現在は膝蓋骨を上下に稼働させる部品を作成中であり、8月までに完成予定である。これが完成しだい実験開始となる。
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Strategy for Future Research Activity |
膝蓋骨を上下に稼働させる部品の作成を行う。慶應義塾大学解剖学教室のカダバー10膝を用いて、Posterior Stabilizedタイプのインサートを用いて人工膝関節置換術を行った際に、膝蓋骨非置換と膝蓋骨置換、さらに膝蓋骨置換の位置をずらしたときの条件でどのように膝蓋大腿関節圧が変化するのかを測定する。また、より簡便に膝蓋大腿関節圧を測定するために、膝蓋骨インプラントに小型の圧センサーを組み込んだ装置の開発を同時に行ってゆく。得られた結果を海外のOrthopaedic Research Societyなどの基礎学会にて発表を行ってゆく。また、産総研の多田充徳先生に分担者に入ってもらうことで更なる推進を目指す。
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Causes of Carryover |
膝蓋骨コンポーネントに圧センサーを組み込んだ装置を実験用に作成中である。すでに図面は完成しているが、使用予定のモジュールが世界的に品薄なため、昨年度に購入できず、装置作成に取り掛かることができなかった。7月までにモジュールを購入し、10月までにはこの装置が完成する予定である。そのための費用が生じる。 膝蓋骨を上下に動かす装置(30万)、膝蓋骨に圧センサーを組み込んだ装置(100万)、学会関連費(30万)、圧センサー測定用パソコン(20万)程度を見込んでいる。
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Research Products
(2 results)