2017 Fiscal Year Research-status Report
Ti-Ta-Snのインプラント材料としての耐食性評価と細胞接着性向上に関する研究
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16K10883
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
三木 将仁 埼玉大学, 研究機構, 専門技術員 (90515066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 真史 埼玉大学, 工学部, 名誉教授 (20112667)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 親水性 / UV / 細胞接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ti-Ta-Sn合金に,一般に洗浄を目的とした金属の表面処理方法として用いられているUV照射処理を施し,処理後の親水性と血管内皮細胞の初期接着性に及ぼす影響について評価した. UV-O3洗浄改質装置にて,低圧水銀ランプ出力40 W,紫外線照度10.0 mW/cm2,波長184.9,253.7 nm,照射距離3 cmで試験片に対してUVを照射した.96穴マイクロプレート上にて,滅菌した試験片(Untreated),5分間UV照射した試験片(UV5),30分間UV照射した試験片(UV30),24時間UV照射した試験片(UV1440),に対しCPAEを5×103 cells/wellになるように播種し,5時間培養した.試験片のサイズは96穴マイクロプレートの形状を考慮しφ4 mm×t0.9 mmとした.培養後の各試験片をPBS(-)にて洗浄後,細胞数をWST-8による比色法を用いて測定した.また,吸光度測定は波長450 nmで行い,参考波長を620 nmで測定した.その結果,照射5分後から親水性の向上に効果が見られ始め,照射時間が長くなるほど接触角は小さくなり,13時間以上の照射で接触角の大きさは1°を切り,24時間の照射で接触角0°の超親水性表面となった.初期細胞接着試験は,UV1440表面では,UntreatedならびにUV5,UV30表面と比較して,初期細胞付着数が有意に増加していた.しかし,UntreatedならびにUV5,UV30表面上の初期細胞付着数に差は見られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した当該年度の研究計画通りに,実験を行うことができ,実験データを採取することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
Ti-Ta-Sn合金と比較材料上での細胞接着力を,試作した回転式粘度計の原理を用いた装置を用いて,金属試料上に接着している細胞に流体せん断力を加えて評価する.細胞を培養した試料を設置し細胞に流体によるせん断応力を加えて,コントロールと試料上に残存する細胞数とを比較する.また,UV照射による細胞接着力への影響を評価するため,上記試験と同様の方法で実験を行う.Ti-Ta-SnプレートをUVオゾン洗浄表面改質装置で,特定の時間紫外線を照射したものと照射していないものとの,細胞接着力の違いを評価する.
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Causes of Carryover |
UVオゾン洗浄改質実験装置を購入予定であったが,他研究者のものを借りられたため,次年度使用額が生じた.
当初予定していなかった,回転式粘度計の原理を用いた装置の制御用PCの購入に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)