2016 Fiscal Year Research-status Report
MRI T2mappingを用いた、アキレス腱断裂後の腱修復の定量的評価法の確立
Project/Area Number |
16K10884
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 智志 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (30596953)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | アキレス腱断裂 / MRI T2mapping / 多血小板血漿 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ウサギアキレス腱切離モデルを用いて、1)MRI T2mapping が腱修復部の力学的な修復過程を反映するか検討すること、2)多血小板血漿による腱修復促進効果をT2mapping が捉えることができるか検討すること、である。 申請時の計画では、PRPを1回投与する群と2回投与する群と生理食塩水を投与する群での比較を計画していたが、過去の文献を参考に検討し次のように変更した。濃度の異なる2種類のPRPを作成し、低濃度PRPを投与する群と高濃度PRPを投与する群と生理食塩水を投与する群の3群を作成する。低濃度PRPの作成は、10ml の血液を1500G、10 分間遠心分離を行い、1.0ml のPRP を作成する(PRP harvesting kit, Mycell, Israel)。高濃度多血小板血漿の作成は、同社のキットを用いて、40mlの血液を同様に遠心分離し1.0mlのPRPを作成する。各群ともアキレス腱断裂直後に投与を行い、術後2,4,8,12週後に腱修腹部のMRI及び組織学的・力学的評価を行う。各評価項目の経時的変化と、各タイムポイントでの群間比較を行う。 本年度は、PRPの作成やMRIの撮像条件等の詳細な検討を行い、実験系を確立し、本実験を開始した。予備実験で、低濃度PRPに対して、約3倍高い濃度のPRPを安定して作成可能となった。また、MRIはT2mappingだけでなく、T1rho、DTIの条件を加え、それらも腱断裂部の修復過程を反映するか検討する。現在20匹の検査を行いデータを収集している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各群で、断裂作成の2, 4, 8, 12 週後に各6匹ずつを屠殺し、両アキレス腱をMRI検査し、右足は組織学的検査、左足は力学的検査を行う。計72匹の予定である。 本年度は本実験を開始し、20匹の検査を行った。来年度で実験を終え、データを解析する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度に引き続き研究を推進していく。 ウサギアキレス腱切離モデルを作成し、低濃度多血小板血漿を投与する群、高濃度多血小板血漿を投与する群、生理食塩水を投与する群の3群を作成する。各群で、術後2,4,8,12週後に腱修腹部のMRI及び組織学的・力学的評価を行う。各評価項目の経時的変化と、各タイムポイントでの群間比較を行う。
|
Causes of Carryover |
実験計画はおおむね予定通りすすんでいるものの、これまでに使用した実験動物数が予定より若干少なかったこと、またMRI撮像に伴う人件費が予定より少なかったため、次年度使用学が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り、上記研究に要する経費および学会発表旅費などに使用する予定である。
|