2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of quantitative evaluation method of tendon repair after Achilles tendon rupture using MRI T2 mapping
Project/Area Number |
16K10884
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 智志 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (30596953)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 多血小板血漿 / アキレス腱 / MRI T2mapping |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ウサギアキレス腱切離モデルを用いて、1)MRI T2mappingが腱修復部の力学的な修復過程を反映するか検討すること、2)多血小板血漿による腱修復促進効果をT2mappingが捉えることができるか検討すること、である。申請時の計画では、多血小板血漿(PRP)を1回投与する群、2回投与する群、生理食塩水を投与する群での比較を計画していたが、過去の文献を参考に検討し以下のように変更した。 濃度の異なる2種類のPRPを作成し、高濃度PRP、低濃度PRP、生理食塩水をそれぞれ投与する3群を作成した。各群ともアキレス腱切離手術直後に投与を行い、術後4、8週後に腱修復部のMRIおよび組織学的、力学的評価を行った。最終年度は前年度から継続し、各タイムポイントで各群10匹で評価を行った。 血小板数は低濃度PRPは全血の3.8倍、高濃度PRPは12.8倍だった。MRIのT2値は低い方が修復が進んでいることを示唆し、T2値は生理食塩水、低濃度PRP、高濃度PRPの順に低い値であり、有意な差があった。組織学的評価は、腱修復の半定量的評価方法であるボナースケールを用いて評価した。低い方が修復が進んでいることを示唆し、生理食塩水、低濃度PRP、高濃度PRPの順に低い値であり、有意な差があった。力学的評価は引張試験を行い、弾性率、剛性を評価した。それぞれ生理食塩水、低濃度PRP、高濃度PRPの順に高い値であったが、剛性のみ有意な差があった。T2値と、ボナースケール、弾性率及び剛性に有意な相関が得られた。 本研究の結果から、ウサギアキレス腱切離モデルにおいて、PRPの濃度が高い方が腱修復促進効果は高い可能性があることが示唆された。また、MRI T2mappingは腱修復部の力学的な修復も反映する可能性があり、腱修復の定量的評価として有用であると考えられた。
|