2017 Fiscal Year Research-status Report
骨コラーゲンの質的要素を考慮した有限要素解析による骨強度測定法の確立
Project/Area Number |
16K10886
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松浦 佑介 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60638336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 崇根 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (30513072)
大鳥 精司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40361430)
國吉 一樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (40375788) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨強度 / 骨密度 / 骨質 |
Outline of Annual Research Achievements |
新鮮凍結屍体8体(男性4体 女性4体、平均年齢86.1歳)の上腕骨頭の海綿骨を常温にて解凍し、直径10mmの円柱状に30検体採取した。採骨した検体をCT撮影しvBMDをそれぞれ計測。さらに力学試験によって、それぞれの検体におけるYoung率ならびに降伏応力を計測した。Young率並びに降伏応力と骨密度の関係はそれぞれρ= 3597.1σ^2.2944 (r=0.721)、ρ= 372.78σ^2.3728 (r=0.766)であり相関関係を認めた。さらにこれを計測可能な4検体ごとにまとめ、その検体のAGEごとの相関関係のグラフを作成すると、総AGEs量が高値であるほどYoung率、降伏応力が低く、総AGEs量が低値であるほど、Young率、降伏応力が高い値を示していた。 AGEsは従来、糖尿病や腎不全など特殊な環境下においてのみその役割が注目されてきたが、近年骨強度を低下させる骨質劣化要因として認識されている。しかし、AGEsが骨密度と比較し、どの程度骨強度に影響をあたえるかは明らかではなかった。今回の研究から骨密度と骨強度の関係は過去の報告通り指数関数的に相関が得られ、さらにAGEsはその係数に影響をあたえることが示唆された。この事から、将来的にAGEsを含めた骨密度ごとの材料特性(Young率、降伏応力)換算式を求めることが予期された。 上記内容に関してはpilot studyとして学会報告を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究として、予想している傾向が得られた。このまま検体を重ねていくことでより精度の高い計算式を得ることが出ると推測されるため
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Strategy for Future Research Activity |
今後、検体数を重ね精度の高い計算式を求めていく。計算式が確立した段階で、臨床の患者に対してCTを撮影し、また採血等の非侵襲的な検体採取法を用いてコラーゲンによる骨質を加味した骨強度測定することで、より正確な手術シミュレーションを目指す
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Causes of Carryover |
予想以上にスムーズに研究が進み、追加実験を回避できたため。次年度は検体数を増やすことでよりAGE測定に費用を費やす予定
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