2016 Fiscal Year Research-status Report
足・膝の比較による関節軟骨のホメオスタシスと変性の分子機序の解明
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16K10888
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 卓巳 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70436468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30456107)
岡田 慶太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50759173)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 膝関節軟骨 / 足関節軟骨 / 軟骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト人工足関節、人工膝関節置換術から培養軟骨細胞を得ることに成功し、網羅的遺伝子解析を始めている。マウス膝・足関節の網羅的遺伝子解析で得られた両関節軟骨の発現プロファイルの違いに着目し、足・膝関節の特性決定遺伝子の候補を絞り込んでいる。複数の注目している遺伝子について発現ベクターやsiRNAを使用して機能解析を行っており、いくつかの遺伝子で物理的ストレスや炎症性サイトカインに対しての反応の違いを確認しており、足・膝関節軟骨の特性決定遺伝子の候補として期待できるデータを得られている。 また、足関節軟骨には膝関節軟骨と比較して軟骨保護作用がある有名分子が多数存在しており、分子生物学的にも足関節は膝関節と比較して変性抵抗性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難しいとされているヒト足関節、膝関節の培養軟骨細胞を得ることに成功し網羅的遺伝子解析を始めておりヒト関節軟骨の解析についてはほぼ今年度の予定どおり実行している。 またマウスの網羅的遺伝子解析のデータをもとに足・膝関節の特性決定遺伝子の候補を絞り込んでおり、その遺伝子のgain of function, loss of functionによる関節軟骨への影響で面白いデータが蓄積しつつある。以上の進行状況はvitroの解析においても今年度の目標をほぼ達成していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は足・膝関節軟骨の特性決定遺伝子を特定し、flox-miceやコンディショナルトランスジェニックマウスを作成し、その遺伝子が生体でどのような役割を果たしているのかを発生、成長、老化の過程で検索するとともに, Col2a1-Cre ERT2マウスやAcan-Cre ERT2マウスなど軟骨特異的Creマウスを用いてノックアウトや過剰発現を行い、各関節の維持・変性に対する作用を時系列で解析してゆく。またマウス変形性足関節症モデルや変形性膝関節症モデル、さらに加齢に伴う関節軟骨変性過程において、発現遺伝子の時間的、空間的な変化を解析する。
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Causes of Carryover |
順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
軟骨特異的Creマウス、その他のマウスを用いて時系列で解析していく費用など
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