2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒストン修飾変化により発現制御される遺伝子Vopp1の破骨細胞における作用の解明
Project/Area Number |
16K10889
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
中村 春彦 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60755677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 旬 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00456112)
門野 夕峰 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70401065)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
予備実験においては、破骨前駆細胞およびRANKL刺激により分化した破骨細胞に対してChIPシークエンス法を用いてヒストン修飾パターンの全ゲノム的解析を行い、ヒストン修飾が活性化する遺伝子群を同定し、さらにRNAシークエンスでRANKL刺激後に発現量が増加しているものとしてVopp1を候補遺伝子として選択した。 平成28年度には、そのデータを用いてVopp1のヒストン修飾変化について解析し、RANKL刺激による破骨細胞分化に伴いヒストン修飾がH3K4およびH3K27の両方がトリメチル化された状態からH3K27のみが脱メチル化された活性型に変化することを確認した。また、マウスの長管骨骨髄から細胞を採取し、RANKLおよびM-CSFの存在下で培養し破骨細胞様のTRAP陽性多核細胞へと変化させる系において経時的にRNAを採取し、それを用いたRealtime PCRを行い、破骨細胞の分化に伴いVopp1の発現が増加していることを観察した。 平成29年度には、Vopp1のshRNAを用いて上記の破骨細胞分化系においてVopp1のノックダウンを行い、破骨細胞分化、機能について解析したが、対照群と比較して明らかな有意差は確認できなかった。 平成30年度には、破骨細胞分化系においてVopp1のノックダウンを行い、生存能が低下することが観察された。 今後は、Vopp1のノックアウトマウスを入手し、in vivoでの骨形態の解析およびマイクロCTによる評価、長管骨骨髄細胞を用いたex vivoでの破骨細胞分化、機能、生存能の解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年4月から研究代表者の所属施設が変更となったため、実験開始の準備に時間を要し、新施設での実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Vopp1のfloxマウスを購入し、Ctsk-Creマウスと掛け合わせ、Vopp1の破骨細胞特異的遺伝子欠損マウスを作成し、in vivoでの骨形態計測およびマイクロCTを実施し、Vopp1の骨格系への寄与を評価する。また、同マウスから骨髄を採取し、破骨細胞分化、機能、生存能を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年4月に研究代表者の所属施設が変更となり、実験開始までに時間を要し、実験が遅延しているため。
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