2016 Fiscal Year Research-status Report
糖化ストレスによる骨治癒遅延メカニズムの解明と新規治療薬の開発
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16K10896
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松原 秀憲 金沢大学, 医学系, 助教 (10507057)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖化ストレス / 骨折 / ピリドキサミン / AGE / MG / RAGE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,糖尿病患者では骨折後の癒合不全、偽関節形成のリスクが非常に高いことが知られている原因としての糖化ストレスの関与を証明し、それに対するピリドキサミン(Pyr)での治療を目指すことを目的とする。 in vivo においては、まず,糖尿病マウスの作成に難渋したが,数を重ねるごとに安定して9割の確率で糖尿病マウスの作成が可能になった.さらに骨欠損モデルも当初は骨折や綺麗に骨欠損が作成できない等の問題が発生したが,習熟とともに8割の確率でモデルを作成することが可能となってきている.データも徐々に蓄積されており,4群(control, control+pyr, DM, DM+pyr)で10匹ずつ集まってきている.先行研究である骨新生が糖尿病により遅延することは再現できるようになった.今後は,モデルを徐々に増やしていき,よりよいデータの蓄積を行っていくとともに,マウスの血中濃度のAGE濃度やピリドキサミン濃度を測定していく. in vitroにおいては,先行研究と同様のメチルグリオキサールによる骨新生が遅延することを再現することはできた.またPyrを導入することで骨新生の改善がみられている.現在至適濃度を検索している. 糖化ストレスの除去はin vivo, in vitroともに一定の効果がみられている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoでの糖尿病マウスやin vitroでのMGによる糖化ストレスがピリドキサミン(Vit.B6)によって改善するかどうかが本研究の核心と考えられるが,両方の実験系においてピリドキサミンの効果は満足いくほどではないが,ある程度発揮されていると考えられるので,経過としては順調であると考えられる.メカニズムの解明にはまだいたっていないが,結果は出ているので,メカニズム解明までもそう遠くはないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当大学血管分子生物学教室の山本靖彦教授らのグループは、糖尿病におけるAGE やその受容体膜タンパクであるRAGE 研究の第一人者であり、これまで糖化ストレスと微小血管障害についての研究発表を精力的に行っており、血管生物学教室に指導をいただきながら,実験をおこなっている.今後行っていく分子メカニズムの解明ではさらに指導を頂いていくことを考えている.
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Causes of Carryover |
物品費において他研究での物品が残存していたために新たに購入する物品が抑えられたことが考える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後はさらに実験回数の増加や外注による検査なども増えてくることが予想される.
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