2017 Fiscal Year Research-status Report
糖化ストレスによる骨治癒遅延メカニズムの解明と新規治療薬の開発
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16K10896
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松原 秀憲 金沢大学, 医学系, 助教 (10507057)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖化ストレス / 骨折 / MG / ピリドキサミン / AGE / RAGE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,糖尿病患者では骨折後の癒合不全、偽関節形成のリスクが非常に高いことが知られている原因としての糖化ストレスの関与を証明し、それに対するピリドキサミン(Pyr)での治療を目指すことを目的としている。実験系はマウスを用いたvivo系と骨細胞へと分化をするST2細胞を用いて実験を行っている. in vivo においては、,4群(control群, control+pyr群, DM群, DM+pyr群)で10匹ずつのモデルが作成され,統計学的に評価し,Pyrを用いたDMマウス群での骨癒合の遅延が改善することを確認することができた.しかし,あくまでもCT上の評価であることから,現在は,組織学的に評価可能かどうかに挑戦している段階である.組織のモデル作成には難渋しており,特にDMモデルでは骨の脆弱性も関連していると思われるが,難渋している.また,3点曲げ試験をマウスの大腿骨にたいして,4群比較をおこなっており,DMマウスでの剛性が低下していることを確認した.さらには,分子学的にも評価を行っており.DMでのマウスの血中AGE濃度は現在測定中で,今後は骨内のAGE濃度も測定していくことが必要となる. in vitroにおいては,Pyrを導入することで,若干の骨新生の改善がみられているが,至適濃度は定まらず,結果はなかなか一定の見解が得られず,成果が得られているとは言えない.染色の時点でつまずいており,一定の結果が得られるように試作している段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoでの糖尿病マウスやin vitroでのMGによる糖化ストレスがピリドキサミン(Vit.B6)によって改善するかどうかが本研究の核心と考えられる. in vivoではある程度の結果が出てきているが,in vitroにて結果が出ないために,論文化するには,まだvitroの実験が充足していないと考えられる.vitroについては共同研究者である当大学血管分子生物学教室の山本靖彦教授とも頻回に相談をし,基礎実験の改善を図っている.
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Strategy for Future Research Activity |
当大学血管分子生物学教室の山本靖彦教授らのグループは、糖尿病におけるAGE やその受容体膜タンパクであるRAGE 研究の第一人者であり、これまで糖化ストレスと微小血管障害についての研究発表を精力的に行っており、血管生物学教室に指導をいただきながら,実験をおこなっている. また,定期的に整形外科内でも実験のカンファレンスを行い,手技の確認,進捗の確認,今後の方針などを確認し,実験をすすめている.
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Research Products
(6 results)