2016 Fiscal Year Research-status Report
半月板分化誘導因子の同定と転写複合体導入による半月板再生
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16K10904
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古松 毅之 岡山大学, 大学病院, 講師 (20432651)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 半月板 / 再生医療 / 膝関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究課題】半月板分化誘導因子の同定 と 転写複合体導入による半月板再生 -半月板分化誘導因子の同定- マウス胎児と生後1週齢の半月板からRNAを抽出し、Col1a1・Col2a1・aggrecanなどの細胞外基質を構成する遺伝子発現を比較検討した。各遺伝子発現は両群で有意差を認めず、半月板主要構成成分の遺伝子発現パターンは胎生期にすでに決定されているものと考えられた。Sox9・Screlaxisなどの転写因子の発現量にも有意な変化を認めなかったことから、胎生早期に半月板への分化誘導が開始されている可能性が示唆された。 また、半月板損傷モデルへのヒアルロン酸添加により、損傷部位におけるII型コラーゲン沈着が増加することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胎生期と生後1週の半月板における転写因子・細胞外基質構成成分の遺伝子発現はほぼ同等であり、半月板の分化を決定づける単一の転写因子は存在しない可能性がある。これまでの研究成果が示すように、複数の転写因子が転写複合体を形成し、それぞれのターゲット遺伝子の発現を制御していることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の転写因子によるCol2a1の転写制御やクロマチン修飾を解析する技術には十分習熟しており、今後はこれらの転写発現調節機構を解析していく予定である。同時に、ヒアルロン酸などの細胞外基質成分を用いた組織再生の促進を目指す。
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Causes of Carryover |
当該期間に使用が予想される研究関連消耗品の残存量に余裕があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養・タンパク発現解析等に使用予定である。
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Research Products
(3 results)