2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel role of HMG-related protein in the regulation of bone resorption
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16K10908
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
馬渡 正明 佐賀大学, 医学部, 教授 (80202357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30153266)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 分化 / 核タンパク質 / 骨吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット骨髄細胞培養系を使用したDNAマイクロアレイ解析により、破骨細胞で高く発現する遺伝子としてHMG関連タンパク質Nucler protein1 (Nupr1)/p8を見出した。Nupr1は分子量の小さな核タンパク質でストレスや炎症、アミノ酸飢餓状態などで誘導され、細胞の増殖、アポトーシスやオートファジーにおける働きが報告されている。本研究ではNupr1の破骨細胞の分化と機能における働きを明らかにすることを目的とした。 マウスマクロファージ細胞株と骨髄由来マクロファージを用いたin vitro破骨細胞分化培養系にRANKLを添加するとNupr1の発現が顕著に上昇した。レンチウイルスを用いてNupr1の発現をノックダウンしたところ、破骨細胞の分化が阻害された。Nupr1のin vivoの作用について検討するためにNupr1ノックアウト(KO)マウスを用いて解析を行った。KOマウスの大腿骨のμCT解析を行ったところ海綿骨量がWTマウスと比較し有意に上昇していた。さらに骨代謝動態を知るために骨形態計測を行った結果、WTマウスと比較しKOマウスでは骨面上の吸収面と破骨細胞数及び単核の破骨細胞前駆細胞数が顕著に減少していた。KOマウスの骨髄細胞を単離し骨髄マクロファージから破骨細胞を形成させるとWTと比較して、破骨細胞の形成、NFATc1、カテプシンKの発現が低下し、破骨細胞の前駆細胞表面のRANKの発現が低下していた。KOマウスでは、RANKLの初期シグナルであるMAPKのリン酸化は変わらなかったが、前駆細胞の増殖能が低下していた。さらに、KOマウスの破骨細胞はオートファジーが亢進し、アミノ酸飢餓におけるオートファジーによる細胞死が亢進していた。Nupr1は破骨細胞前駆細胞の増殖や破骨細胞の分化と生存を制御することにより骨吸収を制御するタンパク質であることが示唆された。
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