2017 Fiscal Year Research-status Report
新規骨質評価法を用いたin vivoにおけるステロイド性骨粗鬆症骨質に関する研究
Project/Area Number |
16K10916
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
須田 廣美 (木村―須田) 千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (00574857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 雅彦 北海道大学, 大学病院, 准教授 (40374368)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ステロイド性骨粗鬆症 / 骨強度 / 骨質 / 力学特性 / 骨代謝 / 赤外分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ステロイド性骨粗鬆症(GIO)は、長期ステロイド治療を受けている患者に発症し、骨折のリスクを高めることが報告されている。その一方で、骨強度に影響を及ぼすGIOの骨質に関する研究報告は極めて少ない。本研究では、GIOモデルマウスを作製し、赤外分光法とマイクロCTを駆使してin vivoにおける骨質の化学的・構造学的な解析を行い、同一検体で行う力学特性評価で得られた骨強度との関わり合いを検討することを目的としていた。これまでの研究から、GIOモデルは作製に時間を要し、個体差が大きく、in vivoにおける力学特性と骨質の関わり合いを短期間に検討するのは難しいと判断し、動物をマウスからより骨質を特徴付けやすいラットに変更し、本研究の第一段階として、安楽死させたGIOモデルラットから摘出した骨の評価を行うことにした。これまで赤外分光法によるGIOの詳細な骨質解析の報告がないため、この研究を遂行すれば初のGIOの詳細な骨質データとなる。本研究ではよりin vivoの状態に近づくように、計測は新鮮骨で行うことにした。また、GIOと他の骨粗鬆症の骨質を比較検討するために従来法である樹脂包埋法による試料調整も行うことにした。一方、GIOモデルラット作製の承認に時間を要したことから、平成29年度は前年度に引き続き、中・近赤外分光法による骨質評価の検討、新鮮骨の評価法の確立、力学測定法の条件検討を中心に行った。中・近赤外分光法による骨質評価において、水分と血液の及ぼす影響については、その一部を国際学会(KJF-ICOMEP 2017, 及び、CIF18th)で報告した。また、赤外分光法で得られる骨質の特徴についても論文(J Oral Biosci)で報告した。新鮮骨の骨質評価法の一部については、国際学会(ASBMR 2017 Annual Meeting)や論文(PlosOne)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ステロイド性骨粗鬆症モデルラットを作製するにあたり、申請から承認までに時間を要した。また、近赤外イメージング装置の干渉計が故障し、装置の修理に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ステロイド性骨粗鬆症(GIO)モデルラットを作製する。2. ラットから採取した血液を用いて、骨代謝マーカー検査、生化学検査を行う。3. 赤外分光法を用い、GIOモデルラットから摘出した大腿骨ならび腰椎の新鮮骨の骨質解析を行う。4. 赤外分光法による骨質解析において、一般的に用いられるPMMA包埋法により作製した骨の薄切片と新鮮骨の薄切片を比較検討する。5. 蛍光顕微鏡を用い、ラットに投与したカルセインを観察しながら骨代謝について検討する。6. 腰椎の圧縮試験、大腿骨・脛骨の圧縮ならび3点曲げ試験を行う。
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Causes of Carryover |
ステロイド性骨粗鬆症(GIO)モデルラット作製の承認に時間を要し、平成29年度内にGIOモデルラット作製が終わらなかったこと、及び、それに伴う試料調整予算が次年度に繰り越されたことが理由である。
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Research Products
(9 results)