2017 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子改変動物を用いた関節由来の疼痛ストレスにおける中枢および末梢応答の病態解明
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16K10925
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川崎 展 産業医科大学, 医学部, 講師 (40644860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | c-fos遺伝子 / eGFP遺伝子 / トランスジェニックラット / 関節炎 / カラゲニン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、成熟雄性c-fos-eGFPトランスジェニック(Tg)ラットの右膝関節内に3%カラゲニン100μLを投与した単関節炎群における投与後3時間、6時間および12時間の視床下部視索上核(SON)、視床下部室傍核(PVN)および第4腰髄(L4)レベルでの患側脊髄後角Ⅰ-Ⅱ層におけるeGFP陽性細胞の発現を確認し、無処置群と右膝関節内に生理食塩水100μLを投与した生理食塩水群と比較した。その結果、右膝関節横径変化量は投与後3時間、6時間および12時間で無処置群ならびに生理食塩水群と比較し単関節炎群で有意に増加していた。eGFP陽性細胞数は投与後3時間、6時間および12時間で観察した全ての領域において無処置群ならびに生理食塩水群と比較し単関節炎群で増加していたが、蛋白の発現が弱かったため、免疫組織化学的染色(IHC)により抗Fos抗体を用いてFosタンパク(Fos-LI)陽性細胞の発現を確認した。その結果、eGFP陽性細胞数よりもFos-LI陽性細胞数の方が有意に多く、c-fos-eGFP Tgラットを利用する利点を示すことができなかった。単関節炎では痛み刺激が不十分と考え、両膝関節に3%カラゲニン100μLを投与し同様の実験を行った。その結果は単関節炎モデルの実験と同様で、無処置群ならびに生理食塩水群と比較し両膝関節炎群で観察した全ての領域においてeGFP陽性細胞数は増加していたが、片側カラゲニン投与を行ったラットにおけるIHCによるFos-LI陽性細胞数の方が多い結果となった。そのため、今回の実験ではc-fos-eGFP Tgラットを利用する利点がないと考え、成熟雄性Wistar系ラットを用いて単関節炎モデルを作成し、同様の実験を行い、投与後3時間、6時間および12時間におけるSON、PVNおよびL4におけるFos-LI陽性細胞の発現を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
c-fos-eGFP Tgラットを用いた膝関節炎モデルの実験を行ったが、Tgラットを利用する利点を示すことができなかったため、現在Wistar系ラットを用いての実験を継続している。そのため当初計画していた、モノヨード酢酸(MIA)を両膝関節内投与する実験には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(平成 30 年度)においては、Wistar系ラットを用いての膝関節炎モデルにおける脳および脊髄におけるFos-LI陽性細胞の発現の観察や、SONならびにPVNにおける炎症反応に伴い増加することが予想されるホルモンであるオキシトシン、バゾプレッシンならびに副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンのmRNAの発現を調べることを予定している。また、モノヨード酢酸(MIA)の関節内投与による変形性関節症モデルラットの作成を行い、TRPV1 antagonistの関節内投与による疼痛抑制効果を検討する予定である。 本研究の成果は、日本生理学会、日本整形外科学会などの国内学会および国際学会に発表し、国際専門誌に英文論文として発表する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Fluorescent visualization of oxytocin neurons activated by acute nociceptive stimuli in the c-fos-eGFP transgenic rats.2017
Author(s)
Yasuhito Motojima, Haruki Nishimura, Takanori Matsuura, Mitsuhiro Yoshimura, Hirofumi Hashimoto, Reiko Saito, Hiromichi Ueno, Takashi Maruyama, Satomi Sonoda, Kazuaki Nishimura, Kentaro Tanaka, Hitoshi Suzuki, Makoto Kawasaki, Hideo Ohnishi, Akinori Sakai, Yoichi Ueta
Organizer
4th World Congress of Reproductive Biology
Int'l Joint Research
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