2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10937
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
齊藤 洋司 島根大学, 医学部, 教授 (50162243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 龍也 島根大学, 医学部, 講師 (00372681)
森 英明 島根大学, 医学部, 助教 (40713764)
桐原 由美子 島根大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (90234400)
中谷 俊彦 島根大学, 医学部, 教授 (90237305)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 交差耐性 / モルヒネ / レミフェンタニル |
Outline of Annual Research Achievements |
SDラットを2群に分け、モルヒネ群と、対照として生食群とした。モルヒネ群は、1日2回モルヒネ10mg/kgを9日間皮下投与し、モルヒネ耐性モデルラットを作成した。生食群は、生食を同様に9日間皮下投与した。侵害刺激に対する鎮痛効果の測定は、体性侵害刺激試験には尾に輻射熱を当て逃避行動を起こすまでの潜時を測定するtail flick (TF) test、内臓侵害刺激には直腸内挿入したバルーンを膨らませていき、腹壁の筋肉の収縮が見られる閾値を測定するcolorectal distention (CD) testを行った。1日目と10日目にモルヒネ5mg/kgを皮下投与し、TF test、 CD testを行い、モルヒネ耐性形成を確認した。10日目の抗侵害受容効果は1日目よりもTF test、 CD testともに有意差をもって低下していた。 次に、モルヒネ群、生食群ともに、11日目にレミフェンタニル10μg/kg/min持続尾静注を120分間行った。前値、レミフェンタニル投与30分後、60分後、90分後、120分後、投与終了から30分後にTF test、 CD testを行いモルヒネとレミフェンタニルとの交差耐性を評価した。TFを用いた体性痛に対するレミフェンタニルの抗侵害受容効果は、モルヒネ群では生食群と比較して、60分後、90分後、120分後で有意差を持って低下していた。CDを用いた内臓痛に対するレミフェンタニルの抗侵害受容効果は、モルヒネ群では生食群と比較して、90分後、120分後で有意差を持って低下していた。レミフェンタニル投与中のモルヒネ群内の時間経過による比較では、TFでは前値と比較して30分後は有意差があったが、60分後、90分後、120分後には有意差がなかった。一方、CDでは前値と比較して30分後、60分後、90分後、120分後すべてにおいて有意差を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットにおける、モルヒネ前処置後のレミフェンタニル交差耐性について、TF test、 CD testを行って明らかにした。 ラットのモルヒネ耐性モデル作成に時間を要したため、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
がん疼痛に用いられるモルヒネ以外のオピオイド、フェンタニル、オキシコドン、タペンタドールを全身投与して耐性モデルラットを作成し、レミフェンタニルとの交差耐性を解析する。 また、オピオイドの脊髄くも膜下投与によって耐性モデルラットを作成し、脊髄レベルでのレミフェンタニルとの交差耐性について解析する。
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Causes of Carryover |
ラットのモルヒネ耐性モデル作成に時間を要したため、当初の計画よりやや遅れがでてしまい、他のオピオイドを使用した実験および、他の投与方法による実験が進まなかった。そのため、今年度の実支出額が予定より少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物および、鎮痛薬等の購入に使用する。
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