2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on prevention and onset of exercise-induced rhabdomyopathies using cultured human skeletal muscle cells
Project/Area Number |
16K10938
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河本 昌志 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (40127642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 昇 広島大学, 病院(医), 講師 (30325170)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 悪性高熱症 / 骨格筋筋小胞体 / 1型リアノジン受容体 / 細胞内カルシウム調節 / ヒト培養骨格筋細胞 / ダントロレン / Ca-induced Ca release / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性高熱症(MH)素因を,スキンドファイバーを使用したCa-induced Ca release (CICR)速度の亢進の有無で判定し,この検査後の残余筋を培養し,CICR速度の亢進の有無で還流溶液の温度上昇によるCa動態を測定し,ダントロレンの温度上昇に対する抑制作用について検討した.MH原因遺伝子であるRYR1の変異を導入したHEK細胞についても検討した. 方法はMyotubesの培養,カルシウム蛍光指示薬によるCa2+動態の測定により行った.対象はMH素因検査での陽性者3名と正常者6名で,還流溶液(BSS)の温度を35℃~43℃まで変化させて,蛍光強度ratioの上昇率を,35℃のCaffeine刺激を100%として,各種刺激薬で測定した. その結果,①温度上昇による影響は,1)灌流液の温度にratioは比例したが,2)ratioの上昇率はMH素因検査の有無で差はなかった.②HEK細胞では1)ratioはwild type,Ala4894ThrおよびArg2508Cysのすべてで上昇し,2)温度上昇によるRatioの上昇比率は3群間で有意差があり,3)ダントロレンは,HEK細胞における静止時のCa2+濃度低下作用に3群間で有意差を生じ,Arg2508Cysで最大であった.ダントロレンのCa低下作用における温度の影響は3群間で差はなかった.③ヒト培養骨格筋細胞では,RYR1遺伝子の変異のある培養骨格筋細胞でCICR速度の亢進が認められた.ダントロレンの43℃での作用は,すべての症例で35℃のときより大きかった. 以上のことより,環境温の上昇による骨格筋細胞内のCa濃度の上昇は,ヒト培養骨格筋細胞でもHEK細胞でも確認された.ダントロレンはHEK細胞でも培養骨格筋細胞でも,温度上昇によりCa濃度を低下させたことから,骨格筋細胞ではその予防投与による効果の可能性が示唆された.
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Research Products
(7 results)