2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of neuroprotective effect of erythropoietin through microglia and basic research on drug development
Project/Area Number |
16K10946
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田村 哲也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (90381889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90264738)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | EPOのLPS活性抑制 / 炎症性サイトカイン産生抑制 / 貪食能抑制 / EPOによる神経保護の機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
EPOの抗酸化作用を確認するための実験として、LPS刺激を加えたミクログリアセルライン(BV-2)を使用してEPOの効果を調べた。各種抗酸化酵素に対するウエスタンブロット、assayを行ない、具体的には抗酸化酵素であるSOD1, SOD2, catalaseなどに注目した。EPOが抗酸化酵素の活性を増強することで抗酸化作用を発揮すると思われたが、EPOによる抗酸化酵素の活性増強は有意ではなかった。また、活性酸素の存在を染色するcellroxという蛍光色素を用いて、活性酸素の量を視覚化した。EPOによる活性酸素低下が見られたが、controlで活性酸素の染色が強くなる事が時々あり再現性に乏しかった。 LPS刺激を加えたBV-2細胞において、EPOの作用機序の解明のため、タイムコースの実験を行った。LPS下流経路、EPOの下流経路に注目し、MAPK(ERK, p-38, JNK)やPI3K、NFkBなどの活性をウエスタンブロットで確認した。上記のリン酸化タンパク質の活性を調べ、30-60分で活性が最大になることを確認し、そこにEPOを追加してEPOの作用機序を検討した。 PI3Kを介した抗酸化、細胞保護的な機序を予測していたが、EPOによるPI3Kの変化はなかった。ウエスタンブロットでは、EPOによりJNK活性が抑制されたことが確認された。EPOがJNKを抑制する事により抗炎症作用や抗酸化作用を示し、この機序を一因として結果的に神経保護作用を示す可能性が考えられた。 今後は、虚血性脳症に対する脳低温療法にEPOを併用する事で脳低温療法の抗炎症作用を強化できるのではないかと考え、実験を行う予定である。
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Research Products
(2 results)