2016 Fiscal Year Research-status Report
嘔吐するモデル動物スンクスのトランスクリプトーム解析によるPONVの機序解明
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16K10951
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 助教 (00423765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PONV / 嘔吐中枢 / トランスクリプトーム解析 / スンクス |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度はスンクスではなく,基礎研究で頻用されているラットを用いて行った.嘔吐代替行動としてカオリンペレットの異食を観察した.7群の実験条件を設定し(各群N=6-10), モルヒネ投与やPONVモデル,シスプラチン投与(陽性対照)で異食が増加することを観察した.次にモルヒネ投与群と生食投与群のみに着目して,ヒトでは嘔吐中枢である孤束核を切り出して全量RNAを抽出した後,次世代DNAシークエンサを用いてトランスクリプトーム解析(RNA-seq)を行った.解析の結果,13種類の遺伝子の発現が両群間で高度に差があることが判った.複数のホメオボックス遺伝子の発現が増加しており,解釈に難渋したが,パスウェイ解析でドーパミン代謝経路の3つの遺伝子発現が孤束核で高度に変化していることが明らかになった.またパスウェイ解析で上流の転写因子PHOX2Aが関係していることも明らかになった.これまでの研究からはPONVのラット代替行動であるカオリンペレットの異食ではモルヒネ投与による孤束核でドーパミン代謝経路の変容が関与することが明らかになった.この知見は麻酔覚醒後の手術患者のPONVの脳内機序でドーパミン経路が重要な役割を果たしていることを示唆していると思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
興味深い結果を得ることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
同定した遺伝子発現のリアルタイムPCRによる検証とタンパク発現変化のWestern blotによる確認を行ってからいよいよスンクスを用いた実験を開始する.
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Causes of Carryover |
予想していたよりラットの使用数が少なかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スンクスはラットの10倍の価格なので,十分な数のスンクスを購入可能となる.
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