2017 Fiscal Year Research-status Report
加齢が術後認知機能に与える経時的変化の解明とその予防についての研究
Project/Area Number |
16K10952
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田口 典子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90569774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 慎 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60596443)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 術後認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
術後認知機能障害は高齢者に多く、その機序、脳内の病理的変化、機能的変化について、未だ不明な点が多い。手術によって生じる全身性の炎症反応が、特に海馬に続発性神経炎症を生じさせることが、その一因であると推測されている。また、この反応は加齢に伴い増強する。 本研究の目的の第一段階は、加齢が術後認知機能障害に与える影響を、腹部手術後に生じる海馬の炎症反応、形態学的変化、機能的変化について、経時的に観察することである。目的の第二段階は、脳の炎症反応を抑制し、神経保護作用があるといわれているフラボノイドの一種であるルテオリンを術前から投与することで、これらの変化が抑制可能か、術後認知機能障害の予防効果の有無について確認することである。 初年度は実験系の確立を行った。脳の機能評価として、行動学的検査のうち受動的回避試験と新規物質検索試験についての練習したが、安定した評価を行うには不十分であった。また、模擬手術侵襲としての腹部手術の施行について練習を行った。また、老齢(64週)マウスを安定して確保するため、マウスを自家で育成する方針とした。このため、育成時間を費やした。 本年度は老齢マウスを育成が完了した段階で本実験を行う予定であった。育成期間中に機能評価について、再度練習を行い、安定した評価が行えるよう工夫した。しかし研究代表者の一身上の都合で実験予定が大幅に遅れ、実験対象時期を迎えたマウスに対し実験を行うことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
老齢マウスを育成しつつ実験系を確立するという当初の予定はマウスの成熟と実験者の個人的な都合が合わず本年度は断念せざる負えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
老齢マウス(64週)に関しては、育成に費用、時間がかかりすぎ、実験の遂行が困難と判断した。今後は32週のマウスと若齢マウスの比較を行うこととした。高齢マウス(64週)についてはその後検討できれば追加実験を行うこととする。
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Causes of Carryover |
老齢マウスの育成、行動評価の準備について時間を費やした。また研究実施者の一身上の都合で予定通りの実験が施行できなかった。今後は32週のマウスと若齢マウスの比較を行うこととし、実験時期を調整するため、マウスの育成期間を短縮する方法を検討する。
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