2019 Fiscal Year Annual Research Report
Myocardial preconditioning effects of amino acids and PI3K/Akt signaling pathway
Project/Area Number |
16K10955
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小口 健史 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60201399)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アミノ酸 / 虚血再灌流障害 / 心筋保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋の虚血-再灌流障害にはPI3K/Akt 経路が関与しているとされる。一方、グルタミン・アルギニンなどのアミノ酸にはPI3K/Akt 経路への作用が報告されている。また、グルタミン、アルギニンなどのアミノ酸は肝臓・精巣・肺など他臓器の虚血-再灌流障害を軽減するとされている。本研究では、これらのアミノ酸の心筋虚血-再灌流障害に対する保護効果と作用機序を解明することを目的とした。 本年度は、ロイシンの心筋虚血に対する保護効果について心機能の回復面から検討を行った。ペントバルビタール麻酔下にラットから心臓を摘出して、大動脈・肺静脈・肺動脈カニュレーションを行いLangendorff法にて灌流を行い、肺静脈から左心室内にバルーンカテーテルを挿入して左心室圧(LVP)を測定した。LVPから左室dP/dt maxを求めて、心収縮能の指標とした。肺動脈から流出する冠灌流液を経時的に採取して冠流量とした。上記のラット摘出心臓モデルにおいて、Non-flow ischemiaによる虚血再灌流実験を行い、対照群とロイシン投与群の間で虚血再灌流時の心機能の回復を比較検討した。 本年度の結果では、ロイシンの虚血前投与により、対照群と比較して虚血再灌流時の心機能の回復に有意差は認められず、心筋に直接投与した場合のロイシンには虚血再灌流障害に対する心筋保護作用が無いことが判明した。本研究ではアミノ酸であるグルタミン・アルギニン・ロイシンの心筋に対する保護作用について検討したが、その結果、グルタミンにおいてのみ心筋虚血再灌流障害に対する保護効果が認められたことになる。心臓外科手術においてグルタミンを使用する根拠が得られ、更に虚血性心疾患を合併した患者の麻酔管理においても新たな心筋保護戦略になることが期待される。
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Research Products
(1 results)