2017 Fiscal Year Research-status Report
光テクノロジーを利用した血液ブドウ糖濃度の連続測定法の開発
Project/Area Number |
16K10956
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
土井 松幸 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10155616)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 光テクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
1. アントラセン-フェニルボロン酸を用いたブドウ糖検出装置の開発を進めた。励起光の波長は280nmから500nmまで検索した。アントラセン-フェニルボロン酸溶液が,ブドウ糖存在下に波長370 nmの励起光で430 nm の青色の蛍光を発することを確認した。アントラセン-フェニルボロン酸溶液濃度0.1mM/Lから10mM/Lまで検討し,1mM/Lの濃度を選択した。発生する蛍光強度はブドウ糖濃度1mg/dLから300mg/dLの範囲で濃度依存性であった。ブドウ糖濃度と蛍光強度との関係は,時間と共に変化した。蛍光強度の時間的安定性が一定でない原因について,溶液の温度,pH,の変動を検索したが特定できなかった。 2. 光ファイバーカテーテルのデザインの検討については着手できなかった。ブドウ糖検出装置の基本構成が決まり次第,カテーテルのデザインならびに光供給装置。蛍光受光装置の設計を行う予定である。 3. 赤外線スペクラムを用いた血中ブドウ糖濃度定量法の開発については,400nmから1200 nmまでの高分解能の近赤外線スペクトラム測定の予備実験を行い機器の調整に着手した。純水の吸光スペクトラムを基準として,ブドウ糖濃度100mg/dL と300mg/dLの水溶液の吸光スペクトラムを記録した。1000nmから1200nmの近赤外領域に微弱な吸収を検出することができた。吸収が微弱なため,吸光の濃度依存性については検討が困難であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アントラセン-フェニルボロン酸溶液が発生する蛍光強度が時間的に不安定で,その原因検索に時間を要したため。 ブドウ糖の赤外線スペクトラム解析の信号ノイズ比の改善方法の検討に時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も平成29年度の研究を引き続き実行する予定である。
|
Causes of Carryover |
平成29年度の予算は,主にカテーテルや光供給装置,蛍光受光装置の試作に使用する予定であったが,当該年度に実施できなかったため。 平成30年度予算に,平成29年度予算の残額を合わせてカテーテル等の試作に使用する計画である。
|