2016 Fiscal Year Research-status Report
体内細胞毒性アルデヒド、アクロレインが心臓術後高次脳機能障害に与える影響
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16K10961
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 和慶 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80314813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 理 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20610885)
山下 敦生 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50379971)
松本 美志也 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60243664)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクロレイン / 術後高次脳機能障害 / 心臓大血管手術 / インターロイキン6 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓大血管手術20症例において、生体内細胞毒物質である血中アクロレイン濃度と術後高次脳機能障害との関連について研究を行った。患者に研究の説明を行い同意を得た後、麻酔導入前に動脈ラインより動脈血液を採取し、アクロレインの測定を行った。手術前と手術後に5つの神経心理学検査(Mini-mental state examination、Digit symbol test、Digit span test、Trail Making test B、かなひろいテスト)を行い術後2つ以上の検査で20%以上スコアの低下が生じた症例を高次脳機能障害症例とした。 20例の内5例は術後の神経心理学検査が施行できなかった。15例の症例の内わけは大動脈弁置換が5例大血管手術が4例、僧帽弁手術が3例、人工心肺を用いない冠動脈バイパス術が3例であった。POCDは4例で起こり、POCDを起こした症例の麻酔前のアクロレイン値は35±13nmol/LとPOCDを起こしていない症例の21±10nmol/Lより高い傾向にあった(P=0.08)。 あらかじめ存在する血中アクロレインは術後高次脳機能障害と関連する可能性がある。おそらくアクロレインは動脈硬化の原因物質であるため、その高値は患者の動脈硬化の重症度を見ている可能性がある。まずは動脈硬化とアクロレインとの関連の検討が必要である。またアクロレインはその値のばらつきが大きい。インターロイキン6を同時に測定しアクロレインとの比を検討することで感度が上がることが報告されており現在インターロイキンは解析中である。今後症例を増やして検討を重ねる予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
倫理審査委員会への申請が遅れ、受諾されたのが2016年秋であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年、3年次の本来の予定症例数は確保できると考える。その際、アクロレインの測定は行ったが術後神経心理学検査が施行できない症例を可能な限り減らすことを検討している。
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Causes of Carryover |
患者へのアンケート調査用の費用として郵便代を含めた準備金として金額を確保していた。しかし、アンケートは術後3か月以後に送付予定であったため、2016年度末にアンケート送付可能な症例は8例しかないためアンケート費用が不必要になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度にアンケート費用として使用予定。
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[Presentation] 大血管手術中の脳モニタ2016
Author(s)
石田和慶
Organizer
日本心臓血管麻酔学会第21回学術大会
Place of Presentation
横浜ベイホテル東急(神奈川県、横浜市)
Year and Date
2016-09-16 – 2016-09-18
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