2016 Fiscal Year Research-status Report
肝不全に対するファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬及びスタチンの肝保護作用の検討
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16K10963
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白水 和宏 九州大学, 大学病院, 助教 (30568960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 賢太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (10419567)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ファルネシル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
concanavalin Aを用いた急性肝不全モデルの作成には成功した。肝酵素は6時間後には通常の50倍にも上昇した。しかしながら研究対象の薬剤であるtipifarnibの効果が予想に反して観察されなかった。まず薬剤の効果発現時間と肝不全の進行速度とを考慮し薬剤の効果が最大になる時間を特定する必要がある。そのため、薬剤の濃度と、投与時期、concanavalin Aの投与量など変更し、dose responseを明らかにし、適切な投与時期、量を探索しているところである。投与量は過去の論文を参考にしているが、doseによる大きな違いは観察されなかった。投与時期は毒物投与同時、5分後、10分後、15分後とで時間を変えて投与を試みたが、明らかな薬物の効果は観察できていない。現時点ではconcanavalin Aを用いた急性肝不全モデルにtipifarnibを前投与すると肝酵素の上昇は抑えられ、炎症性の蛋白の上昇も抑えるのを明らかにしている。明らかな機序は解明できていないが、組織票よりfarnesylated proteinの発現が顕著に抑制されていた。しかしながら薬剤の効果対象の蛋白や酵素の特定はできていない。また本研究の目的は実臨床での応用を考えているので急性肝不全モデル発症のマウスに薬剤を投与して効果を見るのが最大の目的である。肝酵素は50倍にも上昇するので、急性肝炎モデルとしては劇症的なのでそれを抑える事自体難しいかもしれないので、今後はconcanavalin Aの量を調整し急性肝炎の程度を下げて行なうことも考慮する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物実験施設の変更に伴う認可取得が遅れ、思うように実験できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象の薬剤であるtipifarnibの効果が最大に得られる投与タイミングと投与量を調べ、そのタイミングで薬剤の効果のメカニズムを探求する。
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Causes of Carryover |
実験施設の移動により実験ができなかった時期が長かった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
順調に実験できれば、マウス購入などで予定通り予算使用できる。
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