2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the involvement of Acid-sensing ion channels in post-operative pain enhancement in diabetic patients
Project/Area Number |
16K10983
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
草間 宣好 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60336691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90264738)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Acid-sensing ion channel |
Outline of Annual Research Achievements |
酸感受性イオンチャネル (Acid-sensing ion channels;ASICs)は、細胞外ドメインにprotonが結合することで開口するナトリウムチャネルである。ASICsの細胞外ドメインにはClイオン結合部位が存在しており、これはASICsの各種サブユニット間に共通してみられる。ASIC1aチャネルでは、細胞外陰イオンの変化がCl結合部位を介してチャネル機能を修飾している。Chinese hamster overy cell(CHO cell)に発現したASIC2aとASIC3チャネル、およびラット脊髄後根神経節細胞のASICチャネルで、細胞外陰イオンの変化がチャネル機能に及ぼす影響を調査した。CHO cellに発現したASIC(ASIC2a, 3)では、細胞外陰イオンの変化により脱感作速度が変化した。さらに、チャネル活性のPH依存性にも変化が認められた。しかし、各種陰イオンの効果の強度はASIC1aの場合と異なっていた。Clイオン結合部位のアミノ酸残基を変異させた場合、陰イオンによるチャネル機能の変化は、ASIC2aでは部分的に消失、ASIC3では完全に消失した。ラットの脊髄後根神経節細胞に発現したASICに対する陰イオンの効果は、CHO cellに発現したASIC1a/3 ヘテロマルチマ-チャネルで見られた効果と同様の変化を示した。以上のことから、陰イオンはASICチャネルの組成に応じた機能変化をもたらすと考えられる。このようなASICの特性は、糖尿病の合併症としての微小血管障害によって生じた虚血は、細胞外protonと陰イオンの変化を介してチャネル活性を調整している可能性が示唆される。
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