2020 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア障害が関与する対称性遠位末梢神経障害の治療法の検討
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16K10985
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
下山 恵美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10206253)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 化学療法惹起性末梢神経障害 / パクリタキセル / 表皮内神経線維 / ミトコンドリア障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスのパクリタキセル惹起性末梢神経障害モデルにおけて足底皮膚の表皮内神経線維に対する影響を検討した。パクリタキセル20㎎/㎏を1日おきに7回繰り返し腹腔内投与し、投与開始4週目で皮膚を採取した。同じスケジュールで生理食塩水を投与した対照群と比較した。表皮内神経線維の評価には以前報告したオキサリプラチン惹起性末梢神経障害モデルマウスと同様に抗PGP9.5抗体を用い、蛍光免疫染色法を用いて評価した。パクリタキセル惹起性末梢神経障害モデルではオキサリプラチン惹起性末梢神経障害モデルと同様に対照群と比べ表皮内神経線維が有意に減少していた。このことは、パクリタキセル惹起性末梢神経障害はオキサリプラチン惹起性末梢神経障害と類似したメカニズムが関与していることが示唆され、ミトコンドリア障害が関与している可能性が考えられた。このパクリタキセル惹起性末梢神経障害モデルにおいてミトコンドリア障害を予防することが示されているSSペプチドであるSS-20の効果を検討することにより、さらにミトコンドリア障害が関与していることを示していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響により実質的な研究活動が大きく制限されたため
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Strategy for Future Research Activity |
がん治療に用いられる化学療法薬による重大な副作用である末梢神経障害の予防法は確立されておらず、その開発が急がれる。SSペプチドはミトコンドリア障害を予防することが多様な動物モデルで示されており、われわれはSSペプチドがオキサリプラチン惹起性末梢神経障害を予防することを報告してきた。本課題ではこれまでにSS-20がパクリタキセル惹起性末梢神経障害モデルに対し、行動学的検討により末梢神経障害の予防効果があるを示した。今後これを形態学的検討により裏付け、SSペプチドの化学療法惹起性末梢神経障害の予防における有効性を考察する。これらの成果をまとめ、学会報告や論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により実質的な研究活動が大きく制限されたため、実験計画が遅れた。
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Research Products
(1 results)